一方、20歳のフランス人に対しては「ハジャーは完全に未知数の存在だ。昨季のF２では不安定で、レッドブルが本当に彼の準備が整ったと判断したか、それとも単に他の選択肢がなかったのかは不明。低い期待値とほとんど話題にならない状態でF１に参戦することになった彼だが、レッドブルの厳しいシステムを考えれば、実は最も有利な立場にいるのかもしれない」と、ややその実力に懐疑的な見解を示している。
  　ともに「無線での罵声」という“悪癖”があるということで、気性の激しい者同士による火花の散るような対決を予想する声もあるようだが、著名なF１解説者のデイビッド・クロフト氏は、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』で「角田には落ち着きが見られるようになった。経験を積んだ彼は、ハジャーにとって素晴らしいメンターになれるはずだ。レッドブルのジュニアチームでは、経験のあるドライバーが若いチームメイトを助けるのは当然の役割の一部だろう」と、彼らが良い関係を築けるとの期待を寄せた。

　チーム代表のローラン・メキーズは、「昨季、ユウキは誰も予想していなかったような成長を遂げた。スピード、成熟度、そして技術的なフィードバックの面で、彼は大きく前進した。もしユウキが今季、さらにもう一歩成長すれば、本当に面白いことになると思う」と角田を称賛したが（F１専門サイト『GPBLOG』より）、この日本人ドライバーによる好影響はチームメイトにも及ぶことになるだろうか。

　ハジャーは、オランダのF１専門サイト『RN365』のインタビューで、「フェルスタッペンに匹敵する成績を残せると思うか？」との問いに、「自信はある。それが僕の目標だ。ただF１で走るためだけにここにいるのでは意味がない。僕は成功したい」と答えるなど、野心に満ちているのは明らかだが、この血気盛んな若者の存在が、角田にとってもモチベーションとなり、ともに高め合えるかは興味深い。

構成●THE DIGEST編集部
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