F1はバーレーンでの合同テストを終え、いよいよ3月14日からのシーズン開幕に向けて最終準備段階に入っている。
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ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ(以下レーシングブルズ)はサヒールでの3日間で角田裕毅、アイザック・ハジャーの両ドライバーが計454周を走破して多くのデータを収集し、現在はイタリア・ファエンツァ、英国ミルトン・キーンズの両拠点で「VCARB02」の最後の調整を行なっているところだ。
このイタリア籍のチームが新シーズンでいかなる結果を残せるかは非常に興味深いところだが、各国メディアのプレビューや予想では、厳しい展望を示しているところが少なくない。オランダのF1専門サイト『RN365』は10チームをランク付けしているが、レーシングブルズを「9位」として、以下のように評している。
「レーシングブルズにとっては目立たないテストとなり、角田にもハジャーにも、特筆すべきことは何もなかった。ただし、後者の完璧に決まった360度スピンを除いては……。計454周回と、全体で3番目に多い記録を達成。しかし、全体的には静かな3日間だった。もしかすると、それこそが彼らの狙いだったのかもしれないが……」
一方、スポーツ専門サイト『sportskeeda』も、このチームを“ブービー”の位置に置いたが、「ステークザウバーのポジション(最下位)が明確になっている一方で、9位から5位の間の差は非常に小さく、明確な答えを出すのは難しい」との断りを入れた上で、以下のように続けた。
「現時点でレーシングブルズを9位としたのは、彼らの合同テストでの走行プランが非常に控えめであり、必要以上に車をプッシュすることに重点を置かなかったためだ。実際には、VCARB02のパフォーマンスがもっと優れている可能性もあるが、それを確認できるだけのデータが揃っていない」
対して、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』の評価は比較的ポジティブであり、「レーシングブルズはアンダーステアとの戦いを強いられ、セットアップの調整を重ねながら安定した挙動に仕上げていった。それでも、フロントの制約は常にわずかに残ってはいたが……」と合同テストを振り返り、楽観的な見解を示している。
「経験の浅いハジャーがステアリングを握ると、VCARB02は扱いにくそうに見えたが、それは当然のことだろう。一方で、角田は目立ったミスがほとんど見られなかった。理想を言えば、車はもう少しレスポンスが良い方が望ましい。VCARB02は旋回しづらく、結果、コーナー出口でスロットルを開ける際に影響が出る傾向がある。もっとも、許容範囲内の特性ではある。このことから考えると、このチームは中団争いにおいては競争力のあるパッケージを持っていると言えそうだ」
そしてスポーツ専門サイト『VAVEL』のスペイン版は、「レーシングブルズは、新シーズンで中団争いを勝ち抜くのを目標としている。経験豊富な角田と、ルーキーのハジャーという若いコンビがチームを牽引し、ポイント獲得や、場合によっては表彰台を狙う」と紹介したが、合同テストの結果を受けては「昨年の同時期と比較すれば前進しているものの、ウィリアムズやハースと競争できるかはまだ不透明。ただし、ステークザウバーよりは前にいることは確かだ」とも指摘する。
「レッドブルからのサポートを受けながら、新たな時代を迎えることになるレーシングブルズが、すぐに成功を保証されるわけではない。2025年の成績は、競争力の向上とドライバーのパフォーマンスにかかっている。角田とハジャーがどれだけチームを牽引できるかが、今季の鍵を握るだろう」とも綴った同メディアは、角田個人についても以下のように言及した。
「角田はF1で5年目を迎えるが、いまだに表彰台には手が届いていない。2024年シーズンはドライバーズランキングを12位で終えたが、2026年にホンダがレッドブルとの提携を終えることが、彼の今後のキャリアに影響を及ぼす可能性がある。彼の今季の課題は、ハジャーとのチーム内バトルで優位に立つこと、安定したポイント獲得でチームの中心となること、レッドブル昇格の可能性を残すために結果を出すこと、である」
構成●THE DIGEST編集部
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このイタリア籍のチームが新シーズンでいかなる結果を残せるかは非常に興味深いところだが、各国メディアのプレビューや予想では、厳しい展望を示しているところが少なくない。オランダのF1専門サイト『RN365』は10チームをランク付けしているが、レーシングブルズを「9位」として、以下のように評している。
「レーシングブルズにとっては目立たないテストとなり、角田にもハジャーにも、特筆すべきことは何もなかった。ただし、後者の完璧に決まった360度スピンを除いては……。計454周回と、全体で3番目に多い記録を達成。しかし、全体的には静かな3日間だった。もしかすると、それこそが彼らの狙いだったのかもしれないが……」
一方、スポーツ専門サイト『sportskeeda』も、このチームを“ブービー”の位置に置いたが、「ステークザウバーのポジション(最下位)が明確になっている一方で、9位から5位の間の差は非常に小さく、明確な答えを出すのは難しい」との断りを入れた上で、以下のように続けた。
「現時点でレーシングブルズを9位としたのは、彼らの合同テストでの走行プランが非常に控えめであり、必要以上に車をプッシュすることに重点を置かなかったためだ。実際には、VCARB02のパフォーマンスがもっと優れている可能性もあるが、それを確認できるだけのデータが揃っていない」
対して、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』の評価は比較的ポジティブであり、「レーシングブルズはアンダーステアとの戦いを強いられ、セットアップの調整を重ねながら安定した挙動に仕上げていった。それでも、フロントの制約は常にわずかに残ってはいたが……」と合同テストを振り返り、楽観的な見解を示している。
「経験の浅いハジャーがステアリングを握ると、VCARB02は扱いにくそうに見えたが、それは当然のことだろう。一方で、角田は目立ったミスがほとんど見られなかった。理想を言えば、車はもう少しレスポンスが良い方が望ましい。VCARB02は旋回しづらく、結果、コーナー出口でスロットルを開ける際に影響が出る傾向がある。もっとも、許容範囲内の特性ではある。このことから考えると、このチームは中団争いにおいては競争力のあるパッケージを持っていると言えそうだ」
そしてスポーツ専門サイト『VAVEL』のスペイン版は、「レーシングブルズは、新シーズンで中団争いを勝ち抜くのを目標としている。経験豊富な角田と、ルーキーのハジャーという若いコンビがチームを牽引し、ポイント獲得や、場合によっては表彰台を狙う」と紹介したが、合同テストの結果を受けては「昨年の同時期と比較すれば前進しているものの、ウィリアムズやハースと競争できるかはまだ不透明。ただし、ステークザウバーよりは前にいることは確かだ」とも指摘する。
「レッドブルからのサポートを受けながら、新たな時代を迎えることになるレーシングブルズが、すぐに成功を保証されるわけではない。2025年の成績は、競争力の向上とドライバーのパフォーマンスにかかっている。角田とハジャーがどれだけチームを牽引できるかが、今季の鍵を握るだろう」とも綴った同メディアは、角田個人についても以下のように言及した。
「角田はF1で5年目を迎えるが、いまだに表彰台には手が届いていない。2024年シーズンはドライバーズランキングを12位で終えたが、2026年にホンダがレッドブルとの提携を終えることが、彼の今後のキャリアに影響を及ぼす可能性がある。彼の今季の課題は、ハジャーとのチーム内バトルで優位に立つこと、安定したポイント獲得でチームの中心となること、レッドブル昇格の可能性を残すために結果を出すこと、である」
構成●THE DIGEST編集部
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