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ラグビー

本田圭佑の強気と南ア代表コルビの爆走に学ぶ “小さな新星”石田吉平はラグビー日本代表に新風を起こせるか

向風見也

2025.06.27

 手本には他に、元サッカー日本代表の本田圭佑がいる。

 地元の兵庫県で建築関係の会社を営む父の影響で、中学までサッカーもプレーしていたのだ。当時の蹴球界のヒーローの強気の姿勢を、石田は参考にする。

 キャッチーな発言があるのはそのため。ただし心根は謙虚だ。

 印象的な逸話がある。静岡のエコパスタジアムでリーグワン第16節に臨んだ4月27日のことだ。
 
 3点差を追う後半38分頃、イーグルスは敵陣ゴール前まで攻め込みながらも対する静岡ブルーレヴズにこぼれ球を拾われた。一気に走られた。あっさりとだめを押されるかに映ったが、そうはいかなかった。

 石田が追いかけた。

 やがて新人賞を獲得の北村瞬太郎を徐々に、徐々に、距離を詰め、逃げる側のランニングコースを中央から外側へと変えさせる。

 北村は、オリンピアンでもある石田のチェイスに圧を感じた。

 必死に息を切らした。

 もっとも石田にとっては、この場面にも悔いが残るという。

 あと一歩、届かずにトライを許し、直後のゴール成功もあり28—38で敗れたからか。

いや、そのプロセスにこそ反省点があると語った。

「はじめ、ちょっと、一瞬、諦めちゃって…」

 本人のなかでは、最初の1歩目からトップスピードで加速できたわけではなかったようだ。

「あそこは、諦めなかったら、絶対に追いつけた。ちょっとした気の緩みのある自分が、まだまだ未熟だと思います」

 黙っていれば多くのファンが気づかなかったであろう驚きのシーンからも、伸びしろを見出していた。

 6月16日から参加の日本代表宮崎合宿でも、「『全然』なところばっかり」。仕事量や周りとの連携に課題があるという。

 28日にJAPAN XV名義でおこなうマオリ・オールブラックス戦(東京・秩父宮ラグビー場)のメンバーからは外れたが、慎ましくも堂々とした風情で本番での爆発を目指していそうだ。

取材・文●向風見也
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