手本には他に、元サッカー日本代表の本田圭佑がいる。
地元の兵庫県で建築関係の会社を営む父の影響で、中学までサッカーもプレーしていたのだ。当時の蹴球界のヒーローの強気の姿勢を、石田は参考にする。
キャッチーな発言があるのはそのため。ただし心根は謙虚だ。
印象的な逸話がある。静岡のエコパスタジアムでリーグワン第16節に臨んだ4月27日のことだ。
3点差を追う後半38分頃、イーグルスは敵陣ゴール前まで攻め込みながらも対する静岡ブルーレヴズにこぼれ球を拾われた。一気に走られた。あっさりとだめを押されるかに映ったが、そうはいかなかった。
石田が追いかけた。
やがて新人賞を獲得の北村瞬太郎を徐々に、徐々に、距離を詰め、逃げる側のランニングコースを中央から外側へと変えさせる。
北村は、オリンピアンでもある石田のチェイスに圧を感じた。
必死に息を切らした。
もっとも石田にとっては、この場面にも悔いが残るという。
あと一歩、届かずにトライを許し、直後のゴール成功もあり28—38で敗れたからか。
いや、そのプロセスにこそ反省点があると語った。
「はじめ、ちょっと、一瞬、諦めちゃって…」
本人のなかでは、最初の1歩目からトップスピードで加速できたわけではなかったようだ。
「あそこは、諦めなかったら、絶対に追いつけた。ちょっとした気の緩みのある自分が、まだまだ未熟だと思います」
黙っていれば多くのファンが気づかなかったであろう驚きのシーンからも、伸びしろを見出していた。
6月16日から参加の日本代表宮崎合宿でも、「『全然』なところばっかり」。仕事量や周りとの連携に課題があるという。
28日にJAPAN XV名義でおこなうマオリ・オールブラックス戦(東京・秩父宮ラグビー場)のメンバーからは外れたが、慎ましくも堂々とした風情で本番での爆発を目指していそうだ。
取材・文●向風見也
【PHOTO】世界に名を馳せるトッププレーヤー30選!
【記事】現場は賛否両論!リーグワン新登録制度で日本ラグビーは強くなるのか?「代表強化に繋がるかどうか…」「長い目で見たらよりよくなる」
地元の兵庫県で建築関係の会社を営む父の影響で、中学までサッカーもプレーしていたのだ。当時の蹴球界のヒーローの強気の姿勢を、石田は参考にする。
キャッチーな発言があるのはそのため。ただし心根は謙虚だ。
印象的な逸話がある。静岡のエコパスタジアムでリーグワン第16節に臨んだ4月27日のことだ。
3点差を追う後半38分頃、イーグルスは敵陣ゴール前まで攻め込みながらも対する静岡ブルーレヴズにこぼれ球を拾われた。一気に走られた。あっさりとだめを押されるかに映ったが、そうはいかなかった。
石田が追いかけた。
やがて新人賞を獲得の北村瞬太郎を徐々に、徐々に、距離を詰め、逃げる側のランニングコースを中央から外側へと変えさせる。
北村は、オリンピアンでもある石田のチェイスに圧を感じた。
必死に息を切らした。
もっとも石田にとっては、この場面にも悔いが残るという。
あと一歩、届かずにトライを許し、直後のゴール成功もあり28—38で敗れたからか。
いや、そのプロセスにこそ反省点があると語った。
「はじめ、ちょっと、一瞬、諦めちゃって…」
本人のなかでは、最初の1歩目からトップスピードで加速できたわけではなかったようだ。
「あそこは、諦めなかったら、絶対に追いつけた。ちょっとした気の緩みのある自分が、まだまだ未熟だと思います」
黙っていれば多くのファンが気づかなかったであろう驚きのシーンからも、伸びしろを見出していた。
6月16日から参加の日本代表宮崎合宿でも、「『全然』なところばっかり」。仕事量や周りとの連携に課題があるという。
28日にJAPAN XV名義でおこなうマオリ・オールブラックス戦(東京・秩父宮ラグビー場)のメンバーからは外れたが、慎ましくも堂々とした風情で本番での爆発を目指していそうだ。
取材・文●向風見也
【PHOTO】世界に名を馳せるトッププレーヤー30選!
【記事】現場は賛否両論!リーグワン新登録制度で日本ラグビーは強くなるのか?「代表強化に繋がるかどうか…」「長い目で見たらよりよくなる」