そんな中、レッドブルの内部では、2026年はフェルスタッペン優先ではなく、「平等」に車を設計することを検討しているといわれており、F１ジャーナリストのローレンス・バレット氏は、「イギリスGPでは、マックスにあまりにも特化した車にしないようにすべきだという話が内部でされていたのは確かだ。2026年以降にそれが実現するかどうかを見守る必要があるが、今季のうちにそうした方向に舵を切るのは、各チームが今季の開発を打ち切ろうとしている流れからすると、現実的ではないかもしれない」と語っている。
 
　とはいえ、これを報じた英国のF１専門サイト『F1 OVERSTEER』は、「レッドブルが『２台目』についても本腰を入れ始めたことは、角田にとってまさに必要とされている動きだ。彼は現在の車のセッティングに順応できておらず、フォームを改善するには大きな変更が不可欠である。その変更は、一刻も早く必要だ。というのも、角田の契約は今季限りで終了し、レッドブルどころか、F１に残るためにも結果が求められている」と、早急の動きの必要性を強調した。

　ドライバーの去就ということでは、角田だけでなく、フェルスタッペンについてもレッドブル離脱、メルセデス移籍といった噂が流れているが、ブラジルのF１専門サイト『F1 MANIA』は「これがチームにとって新たな前向きなスタートとなる可能性があるのかが注目されている」と報じている。

「フェルスタッペンとの決別は、レッドブルにとって極端なセッティングの車ではなく、よりバランスの取れた、２人のドライバーにとって扱いやすい車を開発する好機となるのではないだろうか？　たとえ、理論上はパフォーマンスが若干落ちたとしてもだ。危機の中での『クリーンな再出発』というアイデアは勢いを増しており、もしその答えが『イエス』なのであれば、４度の世界王者の離脱は『終わり』ではなく、レッドブルにとっての新たな出発点となるかもしれない」

　2021年以降、栄華を極めてきたレッドブルが迎えた分岐点。チーム、ドライバーがここからどのような動きを見せるのか、その先にいかなる結末が待っているのか、そして渦中にいる角田にどのような影響が及ぶのかが、非常に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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