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フィギュア

「まだ実感がなくて…」17歳の鍵山優真が“初出場V”達成!坂本花織、小松原&コレト組もGP初優勝【NHK杯】

辛仁夏

2020.11.29

アイスダンスは結成5季目の小松原&コレト組がGP初優勝を成し遂げた。(C)Getty Images

アイスダンスは結成5季目の小松原&コレト組がGP初優勝を成し遂げた。(C)Getty Images

 試合でのトリプルアクセル成功という目標をついに達成した樋口は「やっと試合できれいに決められ、すごくうれしかったので(ガッツポーズも)思い切り出てしまった(笑)!(qマークがついてわずかに回転不足だったが)立つことはできたんですけど、ちょっと浮きが足りなかったかな。スピードも方向もすごく良かったと思うので、あとは締めるタイミングだけ。今回、緊張感の中で着氷できたので、本当に次につながると思います。自信を持って跳ぶことが大切で、それが今回着氷できた一番の理由だと思います」と振り返っていた。

 総合3位に食い込んだのは、SP4位と健闘した全日本ジュニア女王の松生理乃。フリーではほぼ完ぺきな演技を見せて133.23点の2位に浮上して、合計198.97点の高得点をマークして先輩シニア勢を押し退けて、表彰台の一角に立った。

 総合4位には合計194.73点の三原舞依、フリー冒頭で4回転サルコーに挑戦するも失敗に終わった山下真瑚は合計186.13点の総合5位。韓国から唯一出場したユ・ヨンはSPで最下位12位からフリーで5位につけて合計181.73点の総合7位となり、人気者の本田真凜はジャンプの回転不足が響いて合計162.57点の総合9位に終わった。
 
 アイスダンスのフリーダンスでは、全日本チャンピオンで夫婦カップルの小松原美里&ティム・コレト組がリズムダンス(RD)首位の座を守り、フリーでも108.29点を出して合計179.05点で初優勝を成し遂げた。新調した鮮やかなスカイブルーの衣装を着て、映画「ある愛の詩」の音楽を情感込めて演じ、息の合ったスピンやツイズル、ステップで魅了した。コレトは「自分の中で1回も日本人として勝つとは思っていなかったので、優勝できて光栄に思います」と話せば、小松原は「コロナ禍の感染防止対策を徹底した管理の中でしっかり大会ができ、観客から拍手や声援をもらい、うれしい気持ちをシェアできて感謝の気持ちでいっぱいです」と感激の面持ちだった。

 今季からカップルを結成して大会デビュー戦を飾った村元哉中&髙橋大輔組は、フリーダンスでクラシックバレエの「ラ・バヤデール」を演じて、まるでバレエの舞台を見せられているような表現力豊かな演技を披露。髙橋にとっては難易度が高いリフトもこなし、息の合ったステップも見せたが、ツイズルの途中で髙橋がつまずく失敗もあった。リズムダンスで2位だったが、フリーダンスは93.10点と得点が伸びず、合計157.25点の総合3位に終わった。

 シングルからアイスダンスに転向してから初めての試合を終えた髙橋は「ミスがあったのですごく悔しい。デビュー戦を終えて、課題が出た部分、一安心の部分、これから一層モチベーションが高まった部分など、いろんな気持ちを感じることができたのでいいスタートが切れたと思います」と振り返り、パートナーの村元は「初めてのデビュー試合をお客さんの前で出来たのはうれしかった。課題はたくさんありますが、今後につながる試合になったと思います」と手応えをつかんでいた。

文●辛仁夏 YINHA SYNN
1990年代に新聞記者となり、2000年代からフリーランス記者として取材活動を始め、現在に至る。フィギュアスケート、テニス、体操などのオリンピック種目からニュースポーツまで幅広く取材する。

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