専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
食と体調管理

確固たる信念を貫き続けて2度の五輪出場を掴んだビーチバレーボール選手・石島雄介が目指すさらなる大舞台!過酷なビーチで戦う体を支える食生活

元川悦子

2022.08.01

写真提供:TOYOTA

写真提供:TOYOTA

■食生活について

――食事への意識は子供時代から持っていた?

 あまり気を付けてはいなかったですね。とりあえず、いっぱい食べてるってことだけでした(苦笑)。

 体は昔から人より大きかったですかね。頭1つ抜けてるというか。小学校高学年、6年生くらいだと165センチくらいで、中3で185センチ、高校190センチくらいですかね。最終的には197センチになりました。

――食事の栄養バランスを考えたことは?

 いや、そうでもないですね。好きなものをいっぱい食べちゃって、炭酸を飲んだり、スナック菓子を食べたりと、カロリーなどもあんまり気にせずに過ごしていました。

 大学に進んでから、「このままではよくないから少しずつ変えてこう」と思い始めましたが、やっぱりすぐには難しかったですね。

――筑波大学時代に栄養への意識が大きく変化したんですね?

 そうですね。まずは炭酸を減らして、オレンジジュースに変えるとか、できることを少しずつ心がけていく感じで。あとはジャンクフードの量を減らすことにも少しずつ取り組みました。

――キノコは栄養価が高い食材と言われていますが、お好きですか?

 どんな料理にも合うので食事に取り入れやすいので、いい食材だなとすごく思ってます。

――食べ方は鍋料理などが中心ですが?

 はい。それ以外だと、しいたけとかしめじの天ぷらなんかがおいしいけど、油を吸っちゃうんで、ほどほどにしないといけないですね。シンプルに焼いたり、ソテーするのも好き。野菜と一緒に食べたりしています。

――キノコを使った料理でよく食べるものは?

 しいたけ、しめじとかエノキとか、スーパーでよく売られているものが好きですね。ナメコもお味噌汁に入れたりします。今はいつでも買えるようになっているので、年中通しておいしく頂いてます。

――キノコには腸内環境を整える効果があります。その意識は?

 腸内環境を整える効果があることはしりませんでしたが、アスリートという仕事柄、緊張することが多いですし、試合が近づくにつれてプレッシャーを感じて、腸の動きが加速するんです。便通が活発化する感覚も強い。僕は体重があるんで、便秘気味だと体の中に滞ってる感じがして、重たいなと感じる。スッキリ出てもらった方がやっぱり楽なので腸内環境を整えてくれるのは助かると思います。
 
■今後の目標について

――今季の目標は?

 今季は5月からシーズンが始まりましたが、まずは国内で1番になることを目指しています。ビーチの場合、2年後の2024年パリ五輪は世界ランキング上位の選手が出られるシステムになっているんですけど、コロナ禍のこの2年間は試合出場チャンスが少なかった。そういったマイナス面や難しさがあるんです。

 それでも、選手として五輪を諦めた瞬間にモチベーションとパフォーマンスが一気に低下してしまう。だからこそ、目標だけは絶対にブラさず、今できることをやっていくしかないですね。

 見据えているのはパリ五輪だけじゃない。次の2028年のロス五輪まで現役でやりたい。40代半ばでも続けている選手はいますし、全然イケると思っています。

――バレーボールを頑張るジュニアアスリートへのアドバイスをください

 中学生くらいまではある程度、楽しくやりながら、競技を続けることが大事ですね。本人がさらに上のレベルを意識したり、プロフェッショナルになりたいと目標を引き上げた時には、「そんなに簡単じゃないんだよ」ということも理解したうえで、トライできるかが大事になってくると思います。

 プロフェッショナルをはき違えると「自分が好きな競技をしてお金をいただく」という感覚だけになってしまう。そうならないように、周りも指導していく必要があるのかなと感じます。

 好きなことを職業にしてプロフェッショナルになるのなら、好きなことプラス、理想に近づく努力をすることが大切。そのためにも努力の仕方を理解すべき。それができていないのはちょっと違うと思うんですよね。

――石島選手の諦めない姿勢は若い世代も憧れると思います。最後にこれまで壁を乗り越えてきた原動力を伺ってもいいですか?

 今、38歳です。38年間の中で両親や家族の支えも大きかったんですけど、恩師や仲間とのいい出会いがターニングポイントになった場面が沢山あった。それが自分のビーチバレーボールに物凄く生きてるなと痛感します。全ての出会いや教えが全部つながっている。そういうのっていいなあと思いますし、そのおかげで頑張り続けていられるとしみじみ感じます。


写真提供:TOYOTA

石島雄介/いしじまゆうすけ
1984年1月9日生まれ、197cm
トヨタ自動車所属、埼玉県出身
深谷高校ー筑波大学ー堺ブレイザーズーサンパウロ・ウィザード(ブラジル)ーウルブラ(ブラジル)ー堺ブレイザーズートヨタ自動車ビーチバレーボール部

2017年にインドアからビーチバレーボールに転向し、わずか2年で国内チャンピオンとなり、さらには12年ぶりに出場権を獲得した世界選手権に出場するなどビーチバレーボール界をけん引する存在に。そして2008年に男子バレーボール日本代表として出場した北京五輪に続き、自身2度目となる2020年の東京五輪ではビーチバレーボール日本代表として出場。インドアとビーチで2回の五輪出場を果たす。闘志あふれるプレー、コート中に響き渡るガッツポーズで観客を魅了する。

ホクト『きのこらぼ』では、次世代の選手へのエールや一問一答、今食べたい「きのこレシピ」など石島選手のインタビューを限定公開中!

関連記事

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号