エルトンバローズは、自在性を生かして中団から2着にまで差し込んできた。ソウルラッシュとは2馬身半差を付けられたが、4着だった昨年から着順を上げており、まだ4歳だけにまだこれからの伸びしろがありそう。まずは来春の安田記念に向けて注目を続けていきたい存在だ。
ウインマーベルは、初のマイル戦だったが、短距離馬のスピードを生かし切っての大健闘の3着。最後に甘さが出たのは距離適性の問題だと思われ、やはりベストは1ハロン短い1400m。陣営はこの距離にGⅠがないことが恨めしいことだろう。
ブレイディヴェーグは勝ち馬と同じような位置から差し脚にかけたが、エンジンのかかりがワンテンポ遅かったために差し届かなかった。中団に付けられさえすれば、爆発的な末脚でカバーは可能とみていたが、勝負所での反応の鋭さを欠いたのは、やはり中距離に特化した距離適性ゆえのことだと認めざるを得ない。1800~2400mでのリスタートに期待する。
英国から参戦し、時計勝負への適応力は未知数だと評されたチャリンだが、やや出遅れたうえに、これまで勝ったマイルG1は直線コースのみという馬であるがゆえか、道中は不器用さをのぞかせながらも、怒涛の追い込みで2着争いに加わったのは立派と言っていい。自腹で本レースに参戦し、大いに盛り上げてくれたことに敬意を表したい。
文●三好達彦
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