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食と体調管理

「パリ五輪では12秒台でメダルを」男子ハードル・泉谷駿介が目指す次の目標と日々を支える食生活

酒井政人

2024.01.09

写真提供:住友電気工業株式会社

写真提供:住友電気工業株式会社

■食生活について

──幼少期や学生時代の食生活について教えてください。

 ブロッコリーなどが嫌いで小さい頃はあまり野菜を食べずに、好きなものばかり食べていました。エビなど海鮮系が好きです。小学時代はサッカーをやっていたこともあり、母親は野菜が苦手な僕でも食べられるようにバランスの良い食事を提供してくれました。

──海外遠征中の食生活はどうされているのですか?

 海外ではパンやじゃがいもが結構多いので、日本のお米を持参していきます。あとは基本、現地のものを食べるのですが、ビタミン剤は持っていきますね。

──競技で活躍するために食生活や栄養管理で意識されていることはありますか?

 普段からバランスの良い食事を取るように心がけています。そのなかでも筋肉をつけるためにタンパク質を多めに摂ることを意識しています。1食で40~50g摂りたいのですが、朝食は難しいのでプロテインで補っています。

──食材としてのきのこについての印象を教えてください。

 きのこは全般的に大好きですし、どんなメニューにも合わせやすい印象です。なかでも好きなのは、魚と一緒にホイル焼きすることです。舞茸の天ぷらも好きですね。

──きのこを使った定番メニューやお気に入りのメニューはありますか?

 定番メニューはホイル焼きですけど、汁物にきのこをよく入れています。

──きのこは低カロリーで栄養価の高い食材として注目されていますが、そういった栄養的な価値はご存じでしたか? 

 具体的な栄養素はよく分かりませんが、身体にいいのは分かっているので、積極的に摂るようにはしています。普段の食事では脂質を気にしているので、脂質が少なくて、栄養価の高いきのこは最高ですね。
 
■これからのこと

──今季は日本選手権で13秒04の日本記録をマークして優勝しました。

 前半は動かなかったのですが、その分、後半の乗りが良かったです。12秒台を狙いたい気持ちもあったのですが、そんなに簡単じゃないんだなと受け止めています。

──8月に行われたブダペスト世界陸上では悲願のファイナルに進出しました。決勝は脚をつりながらも5位入賞の快挙です。

 世界大会で初めて準決勝を突破しましたが、さすがに通過しないとやばいかと思っていたので、ホッとした気持ちです。決勝はスタート時に脚がつりかけて、思うように動かすことができませんでした。準決勝と決勝の間が1時間半しかなかったです。そういうレースは初めてだったので、まだまだ経験値が足りていなかったですね。

──ダイヤモンドリーグの年間成績上位者で争うファイナルにも進出して4位に食い込みました。この結果をどのように感じていますか?

 ダイヤモンドリーグに関しては、少しは勝負できたのかなと思います。ファイナルの前日に後輩の村竹ラシッド選手(順天堂大学)が日本タイ記録を出しました。動画で観ていたのですが、本当いいレースだったので、それを刺激にして頑張りました。今季は海外レースに多く参戦できたのが良かったと思います。

──来年はパリ五輪があります。これからの目標をお聞かせください。

 今年はメダルが近かったようで遠かった気もします。来年のパリ五輪では決勝で13秒0台。良ければ、12秒台を狙って、メダルは獲得したいなと思っています。

──12秒台に足りない部分は何でしょうか?

 国内レースなら、かみ合えば12秒台が出ると思っていましたが、6月以降は海外レースが中心だったので難しかったですね。海外レースは、自分より速い選手がいることがほとんどなので、前に人がいると自分のレースがやりにくいです。しかし国内ではなく、海外で速い選手に引っ張ってもらうようなかたちで12秒台を出したいですね。

──最後にジュニアアスリートの皆さんに上達するために必要なマインド、競技への向き合い方などのアドバイスをお願いします。

 僕の場合はその都度、好きな種目をやってきて、陸上競技を楽しくやってきました。陸上嫌いになりそうになったら、別の種目をやるのを優先してもいいと思いますね。種目を変更しなくても、たまには他の種目に挑戦するのもありですし、気分転換が大事かなと思います。


写真提供:住友電気工業株式会社

泉谷 駿介(いずみや しゅんすけ)
2000年1月26日生まれ、神奈川県横浜市出身。
順天堂大学卒、住友電気工業株式会社所属

男子110mハードル日本記録保持者。緑が丘中学校・武相高校時代は混成競技の選手で、順天堂大学時代は跳躍ブロックに所属して、110mハードルの記録を伸ばしていく。2021年は日本選手権で初優勝を飾り、東京五輪は準決勝に進出した。2023年のブダペスト世界陸上は男子110mハードルで日本人初の決勝に進出して、5位入賞。現在は2024年のパリ五輪、2025年の東京世界陸上の「メダル」を目指して取り組んでいる。

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