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食と体調管理

「自分のコンプレックスや悩みも長所に変換して表現できる」ブレイキンの先駆者・石川勝之が伝えるカルチャーの本質と日々を支える食習慣

元川悦子

2024.09.02

――体作りの方はどうですか? ブレイキンは手で体全体を支えるといった技もありますし、相当筋力が必要だと思いますが。

 僕個人はダンベルなど器具を使ったトレーニングはあまりせず、腕立て伏せや腹筋などの筋トレをしています。基本的に7割くらいはダンスを踊り込む形ですね。ただ、体幹強化には注力しています。体の軸がブレると踊れなくなりますし、逆さまになって体を押さえるような動きも必要。体力も相当使うんで、やはり体幹トレーニングは不可欠ですね。

――ブレイキンを25年間、突き詰めてきた石川さんの生きざまは本当に斬新ですよね。最後にジュニアアスリートにアドバイスをいただけると有難いです。

 一番に言いたいのは、人の目を気にせず、自分を信じることですね。周りの評価を気にする人は少なくないと思いますけど、そんなに気にする必要はない。「ネガティブな部分が一番カッケーのに」って僕は思いますね。

 障がい者の方と一緒にバトルする機会もありますけど、ダンスでは障がいがあることも自分を表現する武器として捉えることができ、平等に楽しく踊ることができます。ダンスは自分のコンプレックスや悩みも長所に変換して表現できるもの。実は自分を表すための一番の武器になるのかもしれない。だからこそ、悩んでいる暇なんかない。そう伝えたいですね。
 
石川勝之/いしかわかつゆき(B-boy Katsu One)
1981年7月21日生まれ、174cm
公益財団法人「日本ダンススポーツ連盟(JDSF)」ブレイクダンス本部長。神奈川県川崎市出身。

大学進学後に独学でダンスに明け暮れ、長期休みのたびにアメリカやオーストラリアへ赴き、技に磨きをかけた。卒業後はダンスを続け、世界を転戦。2007年にはアメリカで開催された「FREESTYLE SESSION」で優勝。2009年にもW杯と位置づけられる「R-16」の韓国大会で優勝。ブレイキンの世界で頂点を極めることに成功した。
 30歳を目前にした2010年、異なる環境を求めてワーキングホリデーでオーストラリアに移住。帰国後、貧困に苦しむストリートの子供たちの力になりたいとブレイキンのイベント企画などを手掛ける「IAM」を設立。途上国の子供たちに合宿形式でダンスを指導するなど、多彩な活動にチャレンジした。
ブレイキンが2018年ユース五輪(アルゼンチン)の正式競技に。JDSFにブレイクダンス部が新設され、初代部長(現本部長)に就任。同ユース五輪で日本代表監督と務めた。
2024年パリ五輪の正式追加種目に選ばれ追加され、現在はさまざまな角度から強化・普及、カルチャーを伝えることに力を尽くしている。
 

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