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セルビア主将タディッチ、イングランド戦のベンチスタートに不満「受け入れるのに苦労した」自国メディアやOBは「発言する必要があったのか?」と疑問視【EURO2024】

THE DIGEST編集部

2024.06.18

セルビア代表の重鎮タディッチ(左)を「戦術上の理由」で後半から起用したストイコビッチ監督(右)。(C)Getty Images

セルビア代表の重鎮タディッチ(左)を「戦術上の理由」で後半から起用したストイコビッチ監督(右)。(C)Getty Images

 現地6月16日に行なわれたEURO2024のグループステージ第1節(C組)でセルビア代表は、優勝候補の呼び声が高いイングランド代表と対戦。13分にブカヨ・サカのクロスからジュード・ベリンガムにヘディングで決められ、その後はスコアが動かず0―1で惜敗した。セルビアのシュート数は6本でイングランドは5本。ポゼッションは47パーセント対53パーセントと、一方的なスタッツとはならなかった。

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 かつて名古屋グランパスを率いてJリーグを制したセルビアのドラガン・ストイコビッチ監督は、3ー5ー2でイングランド戦に臨んだ。GKはプレトラグ・ライコビッチで、3バックは右からミロシュ・ヴェリコビチ、ニコラ・ミレンコビッチ、ストラヒニャ・パブロビッチ。アンカーがネマニャ・グデリで、インサイドハーフの右にサシャ・ルキッチ、左にはセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチが入り、右WGがアンドリヤ・ジブコビッチ、左WBがフィリップ・コスティッチ。2トップがアンレクサンダル・ミトロビッチとドゥシャン・ヴラホビッチというメンバーだ。

 注目の集めたのが、主将で代表チームの重鎮、35歳のドゥシャン・タディッチが先発を外れた点だった。タディッチは61分にミトロビッチとの交代で出場。トップ下として中盤から前線まで自由に動きまわってボールに絡み、65分にはルーズボールを拾ってデクラン・ライスをかわして、途中出場のルカ・ヨビッチへスルーパス。シュートまで至らなかったが、チャンスを作り出した。75分にはフィル・フォデンを倒してイエローカードを受けるなど、激しい守備も見せた。

 セルビアのスポーツメディア『Sportal』によると、試合後にタディッチは、「ベンチスタートを受け入れるのに苦労した。監督から説明を受けたが、私はこのチームで最高の選手でありキャプテンだ。リーダーが先発するべきだったと思う」と不満を漏らしたという。ただ、「監督の決断を尊重しなければならない。90分プレーしたかったが、監督が30分と言えば30分だけ。大事なのは勝ち進むことだ」ともコメントしており、複雑な心境ながら最終的に指揮官の判断を受け入れた心の内をメディアに語った。
 
 ストイコビッチ監督は、タディッチのベンチスタートを「戦術上の理由」と説明。「タディッチは後半にフレッシュな状態でプレーしてもらいたかった。ゲームに新しいリズムを吹き込むプランだった」と語った。しかし、タディッチの試合後の発言を伝え聞いた指揮官は、「そんな発言をするのは良くない」と語気を強めている。

 同メディアは、「初戦の段階で、和を乱すような発言をする必要があったのか?」とタディッチの発言を疑問視。かつてユーゴスラビア代表、セルビア・モンテネグロ代表として活躍したプレドラグ・ミヤトビッチは、「タディッチの振る舞いは、チームやセルビア国民にネガティブなエネルギーを生み出すきっかけになる可能性がある。こうした話は外に出さず内部で解決しなければいけない」と釘を刺す一方、「タディッチの代表チームへの貢献は誰もが知っている。重要なのは、いい雰囲気づくりといい結果を出すために団結することだ」と語った。

 セルビアの次戦は、6月20日のスロベニア戦。はたしてストイコビッチ監督はタディッチをスタメン起用するのか、もしくはイングランド戦と同様に後半から途中投入するのか。背番号10の起用法に注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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