ニューヨーク・メッツが昨オフ、フアン・ソトと結んだ15年総額７億6500万ドル（約1147億円）の超大型契約の是非について米誌『Sports Illustrated』は、ライバル球団との試合での成績に焦点を当て、契約は「成功」だったと主張した。

　メッツは現在72勝61敗でナ・リーグのワイルドカード３番手につけている。ソト個人は開幕こそスロースタートだったが、今季ここまで打率.251、32本塁打、22盗塁（キャリアハイ）79打点96得点、OPS.879（出塁率.389、長打率.490）と好成績を残している。

　同誌は冒頭で「メッツがソトに期待したのは４月や５月、６月の数字ではなく、強力なライバルを相手に圧巻のパフォーマンスを見せることだ」と論じ、次のように分析している。
  「ナ・リーグ東地区のライバル４球団との37試合で打率.291、11本塁打、23打点37得点、OPSも.800以上と高水準。なかでもアトランタ・ブレーブス戦ではOPS1.177、古巣ワシントン・ナショナルズ戦でも1.053と驚異的な成績を残している」

　そのうえで、同誌は「これだけでも契約は成功だと言える」と評価した。

　一方で、メッツがソトを獲得した真の狙いは「ワールドシリーズ制覇」と「ヤンキースを超えてニューヨークの真の王者になることだ」と指摘。しかし、これについては「まだ課題が残る」と評し、こう続けた。

「ヤンキースとの２カードでは打率.238にとどまり、敵地ヤンキー・スタジアムでは苦戦。本拠地でやや持ち直したが、ロサンゼルス・ドジャース戦７試合では打率.148と沈黙した」

　さらに同誌は「しかし、メッツの狙いは地区制覇にとどまらない。ヤンキースを超える新たな王国を築き、世界的なスター選手の集まる球団となることを目指している」と分析。そのうえで、「ソトは依然として球界屈指の打者であることに変わりはない。ただ、ニューヨークの“真の王者”となるには、ライバルとの大舞台での象徴的な一打が求められる」と記事を締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部

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