来年3月に開催予定の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本での独占放送権を米動画配信大手『Netflix』が取得した。連覇を目指す侍ジャパンの試合を含む全47試合をライブおよびオンデマンドで配信するが、テレビでの地上波では見ることができなくなる。電撃発表後、日本国内では大きな波紋が広がり、戸惑いや落胆の声が今も漏れている。
23年の前回大会決勝、日本が1点リードした9回表に大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス)がクローザーとして登板。米国の主将マイク・トラウト(エンジェルス)をスイーパーで空振り三振を奪い、14年ぶりに世界一を奪還したシーンはWBCの歴史上最高の名場面と謳われている。日本列島が感動した、このような名シーンが来年3月にはNetflixでの配信のみになる。
決勝の米国戦は平均世帯視聴率42.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。一方で、日本国内の熱狂はWBCの放送権料の高騰を招いた。前回大会の放映権料が30億円規模だと推測されるなか、今回は150億円前後に急騰。そうした背景から近年ボクシングやNFLスーパーボウルなど、スポーツコンテンツに力を入れているNetflixが野球熱の高い日本市場に目をつけ、今回の独占放送権を得たとみられている。
米スポーツ誌『Front Office Sports』はNetflixがWBC全試合を日本で配信する動きに注目。「スポーツのライブ中継分野で存在感を拡大し続けているストリーミング大手が、今度は野球をこよなく愛する日本市場に参入した。Netflixが日本の視聴者向けにライブ配信する初のケースとなる」と興味津々だ。
同メディアは「日本は野球の視聴率にとって重要な国である」と前置き。「昨秋には大谷翔平率いるロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースが対戦したワールドシリーズは記録的な視聴率を記録した。その勢いは3月にも続き、ドジャースが参加したMLBの東京開幕シリーズでも同様の盛り上がりを見せた」と説明。異常ともいえる熱狂的な日本の野球熱が今回の決定を後押しした。
続けて「金銭的条件は明らかにされていない」と補足しながら、「WBCの契約は年間3500万ドル以上とされるMLBの球宴ホームランダービーの契約を上回ると推測される。それは侍ジャパンが自国でプレーする姿を多く見せられるからだ。なおかつ、26年大会はメジャーのトップ選手のひとりであるヤンキースのスーパースター、アーロン・ジャッジがWBC出場をすでに表明している」とし、スポーツビジネス拡大を狙うNetflixにとって日本チーム以外にも多くのメジャーリーガーが参加することが予想される本大会は大きなビッグチャンスと捉えている。つまり、放映権料150億円を楽にペイできるとの算段なのだろう。
その一方で、MLBとNetflixはこれまで以上に複数分野での協力について大規模な協議を続けているという。MLBビジネス・メディア担当副コミッショナーのノア・ガーデン氏は、「Netflixはすでに世界規模でのライブスポーツストリーミングで目覚ましい成功を収めている。エンターテインメント業界のリーダーと提携することで、野球の伝統を尊重するだけでなく、未来も見据え、あらゆる年齢層のファンが、それぞれのライフスタイルに合った方法でWBCを楽しめるようにしたい」と述べ、今回の独占契約に期待。さらなる激震を想起させる。
日本全国の野球ファンに衝撃が走った今回の決定。WBCを巡る地上波“消滅”の余波は、まだ収まりそうにない。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】来年は地上波では見られない…WBC前回大会の名勝負
【記事】Netflixの26年WBC日本独占配信を米誌が懸念「最適な市場かもしれないが…」 前回大会から5倍も急騰した150億円前後の放映権料
23年の前回大会決勝、日本が1点リードした9回表に大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス)がクローザーとして登板。米国の主将マイク・トラウト(エンジェルス)をスイーパーで空振り三振を奪い、14年ぶりに世界一を奪還したシーンはWBCの歴史上最高の名場面と謳われている。日本列島が感動した、このような名シーンが来年3月にはNetflixでの配信のみになる。
決勝の米国戦は平均世帯視聴率42.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。一方で、日本国内の熱狂はWBCの放送権料の高騰を招いた。前回大会の放映権料が30億円規模だと推測されるなか、今回は150億円前後に急騰。そうした背景から近年ボクシングやNFLスーパーボウルなど、スポーツコンテンツに力を入れているNetflixが野球熱の高い日本市場に目をつけ、今回の独占放送権を得たとみられている。
米スポーツ誌『Front Office Sports』はNetflixがWBC全試合を日本で配信する動きに注目。「スポーツのライブ中継分野で存在感を拡大し続けているストリーミング大手が、今度は野球をこよなく愛する日本市場に参入した。Netflixが日本の視聴者向けにライブ配信する初のケースとなる」と興味津々だ。
同メディアは「日本は野球の視聴率にとって重要な国である」と前置き。「昨秋には大谷翔平率いるロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースが対戦したワールドシリーズは記録的な視聴率を記録した。その勢いは3月にも続き、ドジャースが参加したMLBの東京開幕シリーズでも同様の盛り上がりを見せた」と説明。異常ともいえる熱狂的な日本の野球熱が今回の決定を後押しした。
続けて「金銭的条件は明らかにされていない」と補足しながら、「WBCの契約は年間3500万ドル以上とされるMLBの球宴ホームランダービーの契約を上回ると推測される。それは侍ジャパンが自国でプレーする姿を多く見せられるからだ。なおかつ、26年大会はメジャーのトップ選手のひとりであるヤンキースのスーパースター、アーロン・ジャッジがWBC出場をすでに表明している」とし、スポーツビジネス拡大を狙うNetflixにとって日本チーム以外にも多くのメジャーリーガーが参加することが予想される本大会は大きなビッグチャンスと捉えている。つまり、放映権料150億円を楽にペイできるとの算段なのだろう。
その一方で、MLBとNetflixはこれまで以上に複数分野での協力について大規模な協議を続けているという。MLBビジネス・メディア担当副コミッショナーのノア・ガーデン氏は、「Netflixはすでに世界規模でのライブスポーツストリーミングで目覚ましい成功を収めている。エンターテインメント業界のリーダーと提携することで、野球の伝統を尊重するだけでなく、未来も見据え、あらゆる年齢層のファンが、それぞれのライフスタイルに合った方法でWBCを楽しめるようにしたい」と述べ、今回の独占契約に期待。さらなる激震を想起させる。
日本全国の野球ファンに衝撃が走った今回の決定。WBCを巡る地上波“消滅”の余波は、まだ収まりそうにない。
構成●THE DIGEST編集部
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