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「史上2人目の両リーグMVP」だけじゃない!打者・大谷が新天地ドジャース1年目で射程に捉える「3つの大記録」<SLUGGER>

藤原彬

2023.12.13

これまで数々の偉業を成し遂げてきた大谷。新天地1年目に達成が期待される大記録とは?(C)Getty Images

これまで数々の偉業を成し遂げてきた大谷。新天地1年目に達成が期待される大記録とは?(C)Getty Images

 ドジャース入団が正式発表された大谷翔平。アメリカン・リーグからナショナル・リーグへ戦いの舞台を移す2024年は、二刀流で躍動する姿が見られないのは残念だが、「打者・大谷」単体でもいくつかの偉業達成の可能性を残している。

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■ドジャースの年間本塁打記録更新
 本拠地ドジャー・スタジアムがかつて球界屈指のピッチャーズ・パーク(投手有利球場)だったこともあり、これまでドジャースの選手で年間50本塁打をクリアした選手は皆無。45本塁打以上でさえ、ショーン・グリーン(49本/2001年)、エイドリアン・ベルトレー(48本/2004年)、コディ・ベリンジャー(47本/2019年)の3人しかいない。

 大谷の自己ベストは21年の46本。今季は44本だったが、9月上旬に右脇腹を痛め、ひと足早くシーズンを終えた中での数字だった。故障なくシーズンを完走できれば、50本は決して夢ではない。新天地1年目で50本塁打の大台に乗せ、100年以上の歴史を誇る伝統球団の記録を塗り替えれば、大きな衝撃となるだろう。


■両リーグでの本塁打王獲得(史上4人目)
 今季の大谷は、6月半ばに本塁打数ア・リーグトップへ躍り出ると、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)やマイク・トラウト(エンジェルス)らライバルの故障離脱もあり、レースを独走。最終的には44本まで積み上げ、自身初の打撃タイトルを手中に収めた。

 だが、ナ・リーグでは54本を放ったマット・オルソン(ブレーブス)を筆頭に、5人が40本の大台超え。リーグをまたいでの2年連続タイトル獲得はハードルが高いのは間違いない。だが、大谷も、9月の欠場がなければ本数はまだ伸ばせていたはずで、可能性は大いにあると言っていいだろう。
 両リーグで本塁打王を獲得すれば、サム・クロフォード(1901年/レッズ、08年/タイガース)、フレッド・マグリフ(89年/ブルージェイズ、92年/パドレス)、マーク・マグワイア(87年/アスレティックス、98年・99年/カーディナルス)に次ぐ史上4人目。ここに「2年連続」がつけば、史上初の快挙となる。

■両リーグでのMVP受賞(史上2人目)
 今季の大谷は21年に続いて満場一致でMVPを獲得。2度の満票MVPは、あのバリー・ボンズでさえ成し得なかった史上初の快挙だった。
 もし仮に24年もMVP受賞となれば、アメリカン、ナショナル両リーグでの栄誉となり、フランク・ロビンソン(61年/レッズ、66年/オリオールズ)に次いで史上2人目、本塁打王と同様「2年連続」となると史上初だ。

 もっとも、2年連続MVP受賞はは本塁打王以上にハードルが高い。まず、強力がライバルが多数いる。今季、史上初の40本塁打&70盗塁を達成して、大谷と同じく満票でMVPに選ばれたロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)を筆頭に、新たにチームメイトとなるムーキー・ベッツ(ドジャース)もMVP経験者だ。

 また、DHがMVPを受賞した例は過去に一度もなく、投票2位ですら4人のみ。優れたオールラウンダーたちが来季も同じような活躍を続ければ、刀1本の大谷が投票で上回るには、「三冠王」や「シーズン60本塁打」などの特大のインパクトが必要になりそうだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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