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MLB

「ジャイアンツが今永昇太を“獲得しなかった”理由」を編成総責任者が明かす「速球、スプリット、変化球すべてがプラス評価だったが…」

THE DIGEST編集部

2024.06.06

直近2試合では計12失点とつまずいているが、防御率は1.88。今永の投球はMLBでも十分に通用している。(C)Getty Images

直近2試合では計12失点とつまずいているが、防御率は1.88。今永の投球はMLBでも十分に通用している。(C)Getty Images

 11度の先発登板で5勝1敗、防御率1.88。シカゴ・カブスの今永昇太がMLB1年目で驚異的なデビューを飾っている。日本人左腕を巡ってはオフに、カブスのほかサンフランシスコ・ジャイアンツ、ボストン・レッドソックス、ボルティモア・オリオールズ、ヒューストン・アストロズ、ピッツバーグ・パイレーツ、ミルウォーキー・ブルワーズが興味を示していたが、最終的にカブスが契約にこぎつけた。

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 シーズンが始まって今永が好投するたび、「獲得できなかった球団は、いまごろ後悔しているだろう」という内容の報道が目につくようになった。そんななか米メディア『The Athletic』は、「ジャイアンツがイマナガを“獲得しなかった”理由」という記事を出し、ジャイアンツの編成総責任者ファーハン・ザイディのコメントを紹介している。

 同メディアは、「カブスがイマナガと4年総額5300万ドル(約77億円)の契約を結ぶ前、ジャイアンツも日本人投手に興味を示していた」とし、「しかし、ジャイアンツは契約オファーを送らなかった」と伝えている。

 それではなぜ、ジャイアンツは今永にオファーを出さなかったのか。ザイディは、「我々の投球評価モデルは、彼(今永)を高く評価していた。速球、スプリット、変化球すべてにプラスの評価がついたからだ。しかし、スカウトレポートはそれほど強くなかった。彼の投球を効果的なものにしている理由は、肉眼では計り知れなかったからだ。その理由は理解できるものだった。国際的なスカウティングは(争奪戦の)競争率を考慮すると、独自のパターンを持つ微妙な投球スキルよりも、より大きな武器に注目が集まってしまう」と説明した。
 
 さらに、「環太平洋地域から投球データが入手可能になったことで、理論的にはより健全な評価が出せるようになったが、それでもハイエンドの速球に頼れない場合、決め手に欠けてしまうかもしれない。各球団には先発投手としての彼を高く評価したスカウトがいると思うが、そうした球団はおそらく投球モデルの評価を最重要視しているのではないだろうか」と語っている。

 各球団のスカウト陣の間では、今永がフォーシームをゾーンの頂点に安定して投げられるのかどうか、懸念する声もあったという。日本では高めのボールがあまりストライクのコールをされないため、その点を今永のマイナスポイントと判断した可能性もあるようだ。高めのボールが甘ければ強打されてしまうからだ。また、今永の178センチの体格と、キャリアハイが(年間)170イニングの点が、メジャーでは問題になる可能性があるとも指摘されていたという。

 同メディアは、「自らのスタイルと情熱を持って投球するダイナミックな存在として、チームで地位を確立している。いまだ防御率1.88と素晴らしい数字だ」と、左腕のクオリティーを評価。「メジャーで最初の9回の登板で歴史的好成績を残したイマナガだったが、直近2度の登板では、8回2/3で12失点(自責点8)を喫している。それでも制球力は相変わらず鋭く、この不調はいずれ脱するだろう」と、この先の活躍を期待した。

構成●THE DIGEST編集部

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