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球界きってのフリースウィンガーが世界一のために大変身。ドジャース”第4の主砲”テオスカー・ヘルナンデスの「好調の理由」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2024.06.13

大谷に負けじと打ちまくっているヘルナンデス(写真)。使う言語も異なる2人だが、今季初めてチームメイトになるとすぐさま親友になったとか。(C)Getty Images

大谷に負けじと打ちまくっているヘルナンデス(写真)。使う言語も異なる2人だが、今季初めてチームメイトになるとすぐさま親友になったとか。(C)Getty Images

 ドジャースで今「最もアツい」スラッガーといえば、大谷翔平でもムーキー・ベッツでもフレディ・フリーマンでもなく、テオスカー・ヘルナンデスだろう。6月6日からは4試合連続マルチ安打、5試合で計5本塁打。全9安打のうち7本が長打とすさまじい猛打で、6月第1週の週間MVP(自身2度目)を受賞した。ハイライトが6月8日の敵地ヤンキース戦で、満塁弾を含む2本塁打6打点の大暴れを見せたのは記憶に新しい。

 過去3年連続で25本塁打以上をクリアし、シルバースラッガーも2度受賞するなど以前からパワー自慢として知られていたヘルナンデスだが、この勢いなら自身初の40本塁打も夢ではない。

 マリナーズでプレーした昨季、ヘルナンデスは26本塁打を放った一方、リーグワースト2位の211三振を喫した。以前からフリースウィンガーではあったが、ボール球スウィング率は自己ワーストの35.2%に悪化(昨季のメジャー平均は28.6%)。スタットキャストが計測を開始した15年以降初めて、年間500回以上の空振りを喫した選手になってしまった。

 ところが、今季は話が違う。しっかりボールを見極めることを意識しているのか、ボール球スウィング率は28.5%と大幅に改善。それに伴い、過去4年間は7%未満だった四球率が8.4%に上昇するなど、打席アプローチが目に見えて成熟している。

 もちろん、自慢のパワーも健在。ハードヒット率とバレル率はともにMLB上位10%以内。打つべき球を選んでしっかり強く打っていることが好調の秘訣と言っていいだろう。
 

  昨オフFAになった際は、レッドソックスやエンジェルスなどから複数年契約の話もあったようだが、ヘルナンデスはあえて1年契約(しかも年俸2350万ドルのうち850万ドルは後払い)でドジャース入りすることを選んだ。

「ドジャースは勝利に飢えているし、オレも勝利に飢えている。(中略)今季はすべてを勝ち取りたい。来年どうなるかはその後だ」

 ヘルナンデスは17年にアストロズで1試合に出場し、その後7月末にブルージェイズへトレードで移籍した。アストロズはその年世界一となり、ヘルナンデスも一応チャンピオンリングを授与されたが、自分の力で勝ち取ったものという実感はないはず。今季こそは自分の力でドジャースをワールドチャンピオンへと押し上げ、リングを手にしたいと思っているに違いない。

構成●SLUGGER編集部
 
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