メッツの勢いが止まらない。レギュラーシーズン最終日のダブルヘッダーで地区ライバルのブレーブスとの壮絶なシーソーゲームを制してワイルドカード3位を獲得。プレーオフでは中地区王者ブルワーズ、東地区王者フィリーズを次々と破って、9年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。
【動画】地下鉄に乗り込むグリマスをメッツファンが盛大なコールで歓迎!
しかも、このプレーオフで収めた5勝のうち実に4勝が逆転勝ち。その躍進ぶりから、1969年に初めてワールドチャンピオンになった「ミラクルメッツ」を想起させると報じられているが、それ以上(?)に「グリマスの“魔法”のおかげ」とチームや地元ニューヨークが盛り上がっている。
というのも、快進撃のシンボルになっているキモ可愛いマスコットがいるのだ。紫色のずんぐりしたモンスターで、正体はマクドナルドのキャラクター「グリマス」。1971年にドナルド・マクドナルドの親友として登場したが、昨年に期間限定キャンペーンで復活。すると若者を中心に人気が爆発。TikTokでは「グリマスの誕生日を祝うと不気味なことが起きる動画」が大勢のファンによって面白おかしく量産され、大流行した。
グリマスの誕生日は6月12日。ということで今年はこの日に、メッツがグリマスを本拠地シティ・フィールドに招待し、誕生祝いに始球式を務めてもらった。すると翌日から、それまで28勝37敗、勝率.430と低迷していたチームが怒涛の7連勝。勢いそのまま強豪パドレスにも18年ぶりに3試合スイープ勝ちという快進撃が始まったのだ。最終的、 グリマスが始球式をしてからは61勝38敗、勝率.628と見違える変貌を遂げている(ちなみに、グリマスがホームに応援に来た日は4戦全勝!)。
一転して上昇気流に乗り出したメッツに、現地メディアも「グリマスマジックなのか!?」と注目。すると、メッツの主力選手ブランドン・ニモも「きっとグリマスはこの快進撃に関係してるはず(笑)」と表明(?)し、球団も「グリマスが今季のメッツを救った」と題したユーモアたっぷりのショートムービーを制作。本家マクドナルドも「幸運でも運命でもない。グリマスがいたからだ」とPRした広告をシティ・フィールドにデカデカと掲載するなど、グリマスは勝利のシンボルとして存在感を増していった。
チームの主砲ピート・アロンゾに至っては、一時期はスランプにも苦しんでいたが、グリマスと同じ紫色のスパイクを特注でオーダー。グリマス効果を得るべく、それを履いてプレーして調子を上げていった(もちろん本人の努力や周囲のサポートのおかげだが、グリマスのおかげというノリで盛り上がっているのだ)。
グリマス信仰はファンにも浸透。球場にも、紫色の太っちょの着ぐるみ姿のファンがあちこちで目撃されるように。中には、手作り感がありすぎて似ても似つかない単なる変装もあるが、すぐにSNSで拡散されては「本物じゃなさそうだけれど、彼がいるなら勝利するだろう」「そうだそうだ」と盛り上がるのだった。
プレーオフ進出の可能性が見えてきた9月半ばになると球団は、「グリマスがいない時でも彼がいると感じられるように」と、観客席のうちセクション302の6列目12番を紫色の特別シートにした。ちなみにこのシートを設置して以来、シティ・フィールドでの勝率は8勝1敗とこれまた大きく勝ち越している。
先日のフィリーズとの地区シリーズでは、ニューヨークでの第3戦を迎えた日、MTA(ニューヨーク市交通局)が、球場へのアクセスとなる地下鉄7番線にグリマスの特大ステッカーを貼った『グリマス特別号』を走らせ、球場に向かうファンであふれる駅や車両に本物のグリマスがサプライズで出没した。もちろん居合わせたファンは大盛り上がり。「Let's Go Mets!」チャントや「Grimace!」チャントが沸き起こり、グリマスはチャントに合わせて飛び跳ねるという光景が繰り広げられた。
肝心の決戦結果は、ご存知の通り。この日からメッツがフィリーズに2連勝して、リーグ優勝決定シリーズを決めている。今日から始まるシティ・フィールドでのドジャースとの3連戦でも、グリマスが奇跡を起こすかもしれない?
文●松山ようこ
まつやまようこ。フリーランスの翻訳者・ライター。野球をはじめとするスポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Web、雑誌、SNSコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。『SLUGGER』で「笑劇トピックス」を連載中。
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しかも、このプレーオフで収めた5勝のうち実に4勝が逆転勝ち。その躍進ぶりから、1969年に初めてワールドチャンピオンになった「ミラクルメッツ」を想起させると報じられているが、それ以上(?)に「グリマスの“魔法”のおかげ」とチームや地元ニューヨークが盛り上がっている。
というのも、快進撃のシンボルになっているキモ可愛いマスコットがいるのだ。紫色のずんぐりしたモンスターで、正体はマクドナルドのキャラクター「グリマス」。1971年にドナルド・マクドナルドの親友として登場したが、昨年に期間限定キャンペーンで復活。すると若者を中心に人気が爆発。TikTokでは「グリマスの誕生日を祝うと不気味なことが起きる動画」が大勢のファンによって面白おかしく量産され、大流行した。
グリマスの誕生日は6月12日。ということで今年はこの日に、メッツがグリマスを本拠地シティ・フィールドに招待し、誕生祝いに始球式を務めてもらった。すると翌日から、それまで28勝37敗、勝率.430と低迷していたチームが怒涛の7連勝。勢いそのまま強豪パドレスにも18年ぶりに3試合スイープ勝ちという快進撃が始まったのだ。最終的、 グリマスが始球式をしてからは61勝38敗、勝率.628と見違える変貌を遂げている(ちなみに、グリマスがホームに応援に来た日は4戦全勝!)。
一転して上昇気流に乗り出したメッツに、現地メディアも「グリマスマジックなのか!?」と注目。すると、メッツの主力選手ブランドン・ニモも「きっとグリマスはこの快進撃に関係してるはず(笑)」と表明(?)し、球団も「グリマスが今季のメッツを救った」と題したユーモアたっぷりのショートムービーを制作。本家マクドナルドも「幸運でも運命でもない。グリマスがいたからだ」とPRした広告をシティ・フィールドにデカデカと掲載するなど、グリマスは勝利のシンボルとして存在感を増していった。
チームの主砲ピート・アロンゾに至っては、一時期はスランプにも苦しんでいたが、グリマスと同じ紫色のスパイクを特注でオーダー。グリマス効果を得るべく、それを履いてプレーして調子を上げていった(もちろん本人の努力や周囲のサポートのおかげだが、グリマスのおかげというノリで盛り上がっているのだ)。
グリマス信仰はファンにも浸透。球場にも、紫色の太っちょの着ぐるみ姿のファンがあちこちで目撃されるように。中には、手作り感がありすぎて似ても似つかない単なる変装もあるが、すぐにSNSで拡散されては「本物じゃなさそうだけれど、彼がいるなら勝利するだろう」「そうだそうだ」と盛り上がるのだった。
プレーオフ進出の可能性が見えてきた9月半ばになると球団は、「グリマスがいない時でも彼がいると感じられるように」と、観客席のうちセクション302の6列目12番を紫色の特別シートにした。ちなみにこのシートを設置して以来、シティ・フィールドでの勝率は8勝1敗とこれまた大きく勝ち越している。
先日のフィリーズとの地区シリーズでは、ニューヨークでの第3戦を迎えた日、MTA(ニューヨーク市交通局)が、球場へのアクセスとなる地下鉄7番線にグリマスの特大ステッカーを貼った『グリマス特別号』を走らせ、球場に向かうファンであふれる駅や車両に本物のグリマスがサプライズで出没した。もちろん居合わせたファンは大盛り上がり。「Let's Go Mets!」チャントや「Grimace!」チャントが沸き起こり、グリマスはチャントに合わせて飛び跳ねるという光景が繰り広げられた。
肝心の決戦結果は、ご存知の通り。この日からメッツがフィリーズに2連勝して、リーグ優勝決定シリーズを決めている。今日から始まるシティ・フィールドでのドジャースとの3連戦でも、グリマスが奇跡を起こすかもしれない?
文●松山ようこ
まつやまようこ。フリーランスの翻訳者・ライター。野球をはじめとするスポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Web、雑誌、SNSコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。『SLUGGER』で「笑劇トピックス」を連載中。
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