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ドジャース対ヤンキースのワールドシリーズ、「球界にとって“悪い”3つの理由と“良い”2つの理由」米メディア指摘「一部ファンには夢の対戦だが…」

THE DIGEST編集部

2024.10.24

ドジャース加入1年目でワールドシリーズに出場する大谷。(C)Getty Images

ドジャース加入1年目でワールドシリーズに出場する大谷。(C)Getty Images

 現地10月25日、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースという名門球団同士のワールドシリーズが開幕する。多くの米メディアが両チームのワールドシリーズでの対戦成績や戦力評価、注目選手などを取り上げるなか、『FanSided』は10月22日に「ドジャース対ヤンキースのワールドシリーズが、球界にとって悪い3つの理由と、良い2つの理由」という記事を出した。

 同メディアは、「歴史的な舞台が整った。球界で最も有名な2つのフランチャイズが対戦する。両チームとも強力なラインアップとエリート投手陣を誇っている。ニューヨークはアーロン・ジャッジ、フアン・ソト、ジャンカルロ・スタントン、ロサンゼルスは大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンを擁しており、十分な資金力を見せつけている」と頂上決戦を煽り、続けて「一部のファンにとっては夢の対戦だが、このカードが球界にとってなぜ悪いのか、あるいはなぜ良いのか、双方に説得力のある議論が巻き起こっている」と話を進めた。

 悪い理由のひとつ目に、「順当」というワードを挙げた。「昨年のテキサス・レンジャーズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスのワールドシリーズとは異なり、今年は球界で最も裕福で成功している2チームの対戦となった。ある意味、順当なのだ。両チームともスター選手と莫大な年俸に支えられて勝ち上がった。2大巨頭による富裕層同士の対戦には、弱小チームが快進撃を続ける魅力的なストーリーが当てはまらず、中立的なファンや一般視聴者の興奮や刺激を削いでしまう可能性がある」。

 悪い理由の2つ目は、「ライバル関係の欠如」とした。「両チームはワールドシリーズで他のどの球団よりも多く対戦している(11回)が、この両者のライバル関係は時代遅れの感がある。最後にワールドシリーズで対戦したのは1981年で、若いファンにとって両チームのライバル関係は、ほとんど意味をもたない。若年層の割合が急増している今日の視聴者は、フィリーズ対ブレーブス、ドジャース対パドレスのような今の時代のライバル関係に心を奪われている。ドジャースとヤンキースの対戦は現代に相応しい対戦というよりも、過去の遺物として見ているかもしれない」。

 悪い理由の3つ目には、今年のポストシーズンに「地下鉄シリーズがなかった」ことだ。「今年のプレーオフで期待されたのが、ヤンキースとメッツのサブウェイ・シリーズの再戦だった。2000年のワールドシリーズはニューヨークの街を魅了し、球史に残る伝説の1ページとなった(4勝1敗でヤンキースが優勝)。今年、再戦の期待が高まったが、リーグ優勝決定シリーズでメッツがドジャースに敗れたため、ニューヨークの野球ファンは肩を落とした」。
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 同メディアは、ドジャースとヤンキースのワールドシリーズで良かった理由も2つ挙げている。ひとつ目は、「資金力がものを言う」とした。「この対戦は大きな投資がいかに報われるのかを示すショーケースになる。ヤンキースには年間1500万ドル(約22億9300万円)以上を稼ぐ選手が8人いて、ドジャースには6人いる。スター選手を中心としたチームの魅力と潜在的な見返りが強調されることで、MLBはスポットライトを浴び続けることになる」と、スター選手を数多く抱える両チームの対戦には、大きな訴求力があると記した。

 良い理由の2つ目に、「高視聴率」を挙げた。「視聴率は大当たりすること間違いなしだ。前回、両チームがワールドシリーズで対戦した時は、1試合平均で驚異の4427万9000人が視聴した。MLB.TVのストリーミング配信数が急増しているいま、MLBで最も人気と知名度がある2つのフランチャイズの対戦は、新たな視聴記録を打ち立てる可能性がある。大谷の存在だけでとくに日本のファンから大きな注目を集めるし、フアン・ソトがいるから、ラテンアメリカのファンも強い関心を持っている。MLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッドにとって、ドジャースとヤンキースの超大型シリーズは、リーグにとって巨額の収入と知名度の向上を意味する」。

 最後に同メディアは、「人によっては、経済的優位に立つ2球団のワールドシリーズが陳腐に思えるかもしれないし、別の人は球界最高のスター選手たちが大舞台で戦う姿を楽しみにしている。いずれにせよ両チームには、ドラマ性、スター戦、そして新たな歴史を提供してもらいたい」と、頂上決戦の盛り上がりに期待を込めた。

構成●THE DIGEST編集部

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