ボルティモア・オリオールズは今季、好成績を残している菅野智之投手をトレード期限で放出しない可能性が浮上していると現地６月８日（日本時間９日）、米メディア『Sports Illustrated』が報じた。そこには、単なる戦力補強とは違う“特別な理由”があると指摘している。
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　オリオールズは2025年シーズン開幕前にア・リーグ優勝候補として高い期待を寄せられていたが、現時点で26勝38敗と大きく負け越し、東地区では首位ニューヨーク・ヤンキースに13ゲーム差をつけられている。

　この低迷の要因について同メディアは「投手陣の不振や打線も期待された若手の主力選手が不振に陥り、得点力不足にあえいでいる」と綴り、こうした状況から「球団がトレード期限に“売り手”に回る可能性が高まっている」と分析した。

　オリオールズが放出を検討している選手は「強打のライアン・オハーン、セドリック・マリンズ、ザック・エフリン、スガノ・トモユキ」と同メディアは報道。その中でも「スガノについては球団内で特別な扱いが検討されている」と記し、以下のように指摘した。
  「スガノをトレードすれば十分な見返りを得られるとは思うが、彼を引き留めて日本での足掛かりを築くことは、オリオールズにとって２人の有望株を獲得するよりも大きな意味を持つ」

　菅野は今季13試合（75.1イニング）に先発登板し、防御率3.23、５勝４敗、42奪三振、12四球、WHIP1.10（１イニング当たりの被安打＋与四球）の成績をマーク。同メディアは、メジャー１年目の菅野をこのように評価している。

「多くの優勝候補チームが、彼を頼りになるイニングイーター（多くのイニングを消化できる投手）として加えたいと考えている。球速や奪三振力は高くないが、打者を振らせる術は持っており、ストライクゾーン内で勝負する精密機械ぶりをアメリカでも発揮している」

　優勝争いをする複数の球団が菅野に興味を示しているが、オリオールズにとっては、目先の利益よりもこれからの信頼関係を作ることの方が大事なのかもしれない。今後の動向にも注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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