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NBA

「皆それぞれの『G.O.A.T.』がいる」名手ウェイドが“NBA史上最高選手論”に持論「1人に絞らなくたっていい」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.11.18

ウェイドは現役時代にレブロンと共闘経験があるが、幼少期から憧れていたジョーダンはやはり特別な存在のようだ。(C)Getty Images

ウェイドは現役時代にレブロンと共闘経験があるが、幼少期から憧れていたジョーダンはやはり特別な存在のようだ。(C)Getty Images

 現地時間11月16日、マイアミ・ヒートで3度の優勝を経験したレジェンドのドゥエイン・ウェイドのインタビューが、米紙『Washington Post』へ掲載された。

 2003年のドラフト1巡目5位でヒートから指名されたシューティングガードは、NBAキャリア16シーズンのうち約15シーズンをヒートでプレー。通算2万1556得点や5310アシスト、1492スティールに948試合の出場、3万2912分のプレータイムなど、数多くのフランチャイズ最多記録を保持し、背番号3が永久欠番となっているレジェンドは、先月発表されたNBA75周年記念チームにも選ばれており、近い将来のバスケットボール殿堂入りも確実視されている。

 イリノイ州シカゴで生まれ育ったウェイドのアイドルはもちろん、シカゴ・ブルズに6度の優勝をもたらしたマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)。だがドラフト同期かつヒートで4シーズンを共闘して2連覇を達成したレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)とは親友であり、コビー・ブライアント(元レイカーズ)とも何度も激戦を繰り広げてきた。

 この3選手は、NBAにおける「G.O.A.T.(Greatest Of All Time/史上最強)」の議論に必ずと言っていいほど出てくるスーパースター。では、ウェイド自身は彼らをどう見ているのか。
 
「ジョーダンは、彼自身を(他の選手たちと)切り離した。レブロンもそう。僕は彼らのように(G.O.A.T.の)話題には入っていない。シカゴで育ってきたから、ジョーダンは僕にとって頼みの綱だった。食べることもろくにできない頃もあった僕ら兄弟にとってね」

 やはりウェイドにとって、1980年代後半から90年代後半までリーグのベストプレーヤーとして活躍してきたジョーダンは別格のようだ。だがG.O.A.T.論についてはこう話している。

「皆にはそれぞれ、世代ごとのG.O.A.T.がいる気がする。僕の世代で言えば彼(ジョーダン)がまさにそれであり、コビーとレブロンが次の世代にとってのG.O.A.T.になるだろう。それでいいと思うんだ。G.O.A.T.を1人に絞らなくたっていいんだよ。皆が同じ目線で見なきゃいけないなんてことはない」

 ジョーダンやレブロン、コビーに加え、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)やウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)など、NBA史には数多くのレジェンドがおり、今後はステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックスといった選手たちをG.O.A.T.として称える選手たちも出てくることだろう。

 ウェイドの考えは実にフラットであり、そもそもプレーしてきた時代の違う選手たちを一括りにしてベストを選定すること自体が、土台無理な話なのかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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