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NBA

コビー・ブライアントがトップ・オブ・トップであり続けた理由。好敵手が語る「そこに彼のインテンシティの秘密があった」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.01.27

不慮の事故から4年。同時代を戦ったアリナス(左)が明かしたコビーの「クレイジー」なエピソードとは。(C)Getty Images

不慮の事故から4年。同時代を戦ったアリナス(左)が明かしたコビーの「クレイジー」なエピソードとは。(C)Getty Images

 NBAのレジェンドであるコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)は2020年1月26日、ヘリコプター墜落事故に遭い、41歳の若さで帰らぬ人となった。現役時代は他の追随を許さないほどのストイックさで知られたが、幾度となくしのぎを削った元NBA選手のギルバート・アリナスが、対戦相手としてのエピソードを明かしている。

 アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・76ersほか)、レイ・アレン(元ミルウォーキー・バックスほか)、スティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)らと同じ1996年のドラフトでNBA入りしたコビーは、20年間をレイカーズ一筋でプレー。リーグ優勝5回、ファイナルMVP2回、シーズンMVP1回、得点王2回、オールNBA1stチーム11回、オールディフェンシブ1stチーム9回、歴代4位の通算3万3643点、NBA75周年記念チーム選出、五輪金メダル2回など、数々の功績を残した。

 2000年代を彩ったスター選手の1人であり、友として、ライバルとしてしのぎを削ったアリナスはNBAでプレーした2001~12年の間、コビーとは計16回対戦(コビーの9勝、アリナス7勝)し、2006年12月の直接対決ではキャリアハイの60得点をマーク。ヘリコプター事故の直後には、NBAやカレッジ、子どもたちの指導をするべきだと生前のコビーに言われていたことをインスタグラムに綴り、その教え通りサウスカロライナのユーススクールに参加していた。

 そんなアリナスがロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージがホスト役を務めるポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』に出演し、現役時代の秘話を明かした。

 ワシントン・ウィザーズに所属していた当時、レイカーズ戦に向かったアリナスはウォームアップのシュートを打つために午後3時と早めにアリーナ入りしたところ、コビーがトレーナーとハードな練習で汗を流していたという。
 
「自分たちはワークアウトの仕方をわかっているつもりだけど、彼を見るとまた話は変わる。エルボー(フリースローラインの両端のエリア)の位置に行って、ワンドリブルからプルアップのジャンプシュートを放つ。同じ場所、同じ動きで500回はやっていた。トレーナーがラジャ・ベルほど激しくファウルをしなかったので、コビーは彼をクビにしようとしたよ(笑)」

 アリナスによれば、コビーは当時激しいマッチアップを繰り広げていたラジャ・ベル(元サンズほか)のハードディフェンスを思い浮かべ、トレーナーと接触しながらシュートを打ち続けた。ウォームアップだけで体力を使い果たしてしまうのではないかと思うほどの熱の入れようだったが、その後に行なわれた試合では40得点をあげたという。

「ラジャ・ベル?今夜は俺たち(ウィザーズ)と対戦だ。彼ら(レイカーズ)はいつサンズと対戦するんだ、と思ったよ。コビーは来月までサンズと対戦しない。でも、対ラジャ・ベルのためにトレーニングしているんだ。自分を最もハードに守るディフェンダーを想定してね。そこに、彼のインテンシティ(強さ)の秘密があった。ほかの人間がやっていることとは一線を画す。クレイジーだと思ったよ」

 2018年、ベルはコビーに関して『HoopsHype』のインタビューで、「何度もエルボーを繰り出し合ったし、悪口を言い合ったりしていた。コビーがどう感じていたかはわからないけど、彼のことが心底嫌いだった」と語っていた。戦いを重ねるにつれて互いにリスペクトが生まれ、良好な関係になったというが、コビーがトップ・オブ・トップであり続けた理由は、飽くなき向上心が大きな要因だったのは改めて言うまでもない。

構成●ダンクシュート編集部

コビー・ブライアントの長女が語る“マンバ・メンタリティ”「自分自身の最高のバージョンになろうと常に努めること」<DUNKSHOOT>
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