近年のNBAはポジションレス化、スモールバスケットボール化が進み、点の取り合いになる傾向がある。昨季はサクラメント・キングスがリーグ1位の平均120.7点、最下位のマイアミ・ヒートでも平均109.5点を記録。ディフェンス主体で、1試合100点を下回ることも少なくなかった1990年代とは対照的だが、元NBA選手のギルバート・アリナスは「1990年代にディフェンスはなかった」と持論を述べている。
1980年代のNBAはマジック・ジョンソン率いるロサンゼルス・レイカーズの“ショータイム・バスケット”が一世を風靡したが、1980年代後半から1990年代前半は主にディフェンスの時代。“バッドボーイズ”と恐れられたデトロイト・ピストンズの、“神様”マイケル・ジョーダンに対するフィジカルなディフェンス“ジョーダン・ルール”は、その代表格のひとつだった。
1994-95シーズンから3年間は3ポイントラインの距離が約2フィート(約60cm)縮小(1997-98シーズンから従来の7.24mに戻る)。2004-05シーズンからはハンドチェック禁止などルール改正があり、アップテンボな攻撃が徐々に浸透してきた。
キャリア平均20.7点、通算3ポイント成功数1079本を沈めるなど、現役時代はスコアラーとして鳴らした元NBA選手のアリナスは、自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で1990年代の守備に批判的な見解を示した。
「1990年代にはディフェンスがなかったし、(選手たちはロング)シュートも打てなかった。ジョーダンは偉大なシューターだった。彼はシュートが打てたから、自分に有利なポジションを取ったら、もう得点したも同然だった。ほかの選手たちは、守備のプレッシャーがないにもかかわらず上手くシュートが打てなかったんだ。もしコビー・ブライアントを当時のブルズに入れたら?そうなったら、コビーは平均45~50点だ」
アリナスは、自身が1990年代でプレーしていれば、1試合平均100点をあげていただろうと、ジョークを交えながら語った。
「1990年代はどのチームにもスコアラーは1.5人程度しかいなかった。だから、ブルズに関しては、すべてのボールがジョーダンに集まるから、彼がすべてのシュートを打っていたんだ。
ゲイリー・ペイトン(シアトル・スーパーソニックス/現オクラホマシティ・サンダーほか)はNBA最初の4年間で3ポイントを124本しか打っていない(成功26本/成功率21.0%)。1994-95シーズンから3ポイントラインの距離が約2フィート縮小されて、次の3年間で911本に倍増した(成功287本/成功率31.5%)。ジョーダンは3ポイント成功率が30%台から40%台に上がった。俺は1990年代初頭にプレーしたかったよ」
それぞれの時代に魅力があり、好みも違うためどのバスケットボールスタイルが正しいか正解はないが、攻撃的ガードとして鳴らしたアリナスは現代志向が強いようだ。
構成●ダンクシュート編集部
【PHOTO】引退後もその影響力は絶大!NBAの頂点に君臨するバスケットボールの”神様”マイケル・ジョーダン特集
1980年代のNBAはマジック・ジョンソン率いるロサンゼルス・レイカーズの“ショータイム・バスケット”が一世を風靡したが、1980年代後半から1990年代前半は主にディフェンスの時代。“バッドボーイズ”と恐れられたデトロイト・ピストンズの、“神様”マイケル・ジョーダンに対するフィジカルなディフェンス“ジョーダン・ルール”は、その代表格のひとつだった。
1994-95シーズンから3年間は3ポイントラインの距離が約2フィート(約60cm)縮小(1997-98シーズンから従来の7.24mに戻る)。2004-05シーズンからはハンドチェック禁止などルール改正があり、アップテンボな攻撃が徐々に浸透してきた。
キャリア平均20.7点、通算3ポイント成功数1079本を沈めるなど、現役時代はスコアラーとして鳴らした元NBA選手のアリナスは、自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で1990年代の守備に批判的な見解を示した。
「1990年代にはディフェンスがなかったし、(選手たちはロング)シュートも打てなかった。ジョーダンは偉大なシューターだった。彼はシュートが打てたから、自分に有利なポジションを取ったら、もう得点したも同然だった。ほかの選手たちは、守備のプレッシャーがないにもかかわらず上手くシュートが打てなかったんだ。もしコビー・ブライアントを当時のブルズに入れたら?そうなったら、コビーは平均45~50点だ」
アリナスは、自身が1990年代でプレーしていれば、1試合平均100点をあげていただろうと、ジョークを交えながら語った。
「1990年代はどのチームにもスコアラーは1.5人程度しかいなかった。だから、ブルズに関しては、すべてのボールがジョーダンに集まるから、彼がすべてのシュートを打っていたんだ。
ゲイリー・ペイトン(シアトル・スーパーソニックス/現オクラホマシティ・サンダーほか)はNBA最初の4年間で3ポイントを124本しか打っていない(成功26本/成功率21.0%)。1994-95シーズンから3ポイントラインの距離が約2フィート縮小されて、次の3年間で911本に倍増した(成功287本/成功率31.5%)。ジョーダンは3ポイント成功率が30%台から40%台に上がった。俺は1990年代初頭にプレーしたかったよ」
それぞれの時代に魅力があり、好みも違うためどのバスケットボールスタイルが正しいか正解はないが、攻撃的ガードとして鳴らしたアリナスは現代志向が強いようだ。
構成●ダンクシュート編集部
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