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NBA

ウォールが全盛期を過ごしたウィザーズ時代を回想「間違いなく自分こそが史上最高のウィザードと自負している」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.06.27

ウォールはウィザーズで573試合に出場し、平均19.0点、4.3リバウンド、9.0アシスト、プレーオフでは37試合で平均21.9点、4.3リバウンド、9.8アシストをマークした。(C)Getty Images

ウォールはウィザーズで573試合に出場し、平均19.0点、4.3リバウンド、9.0アシスト、プレーオフでは37試合で平均21.9点、4.3リバウンド、9.8アシストをマークした。(C)Getty Images

 2010年のドラフトでワシントン・ウィザーズから全体1位指名を受けたジョン・ウォール。名門ケンタッキー大から鳴り物入りで加入した司令塔は、超人的なスピードと巧みなハンドリングを武器に初年度から平均16.4点、4.6リバウンド、8.3アシストをあげると、4年目の2014年にはチームを6年ぶりのプレーオフに導いた。

 ウィザーズ時代にオールスターに5度、オールNBAチームとオールディフェンシブチームにもそれぞれ1度選ばれたスピードスターは、バックコートの相棒ブラッドリー・ビール(現フェニックス・サンズ)とともにプレーオフへ4度出場し、そのうち3度カンファレンス・セミファイナルへ進出。

 今年1月、元ウィザーズのギルバート・アリナスがポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』へ出演した際、ウォールとビールを「ウィザーズ史上最高の選手」と評価。さらにアリナスはコート上で残した実績だけでなく、ワシントンDCから愛され、インパクトを残したことも大きいと語っていた。

 6月に同番組に出演したウォールはジョージからこの話を聞かされると「面白いね。だって俺もそう思っているから」と切り出し、こう続けていた。
 
「ギル(アリナス)があの街にとってどんな存在なのかは知っているし、俺がやってきたようにコミュニティで歓迎されていた。でも俺こそがその象徴だと思う。(ドラフトで)1位指名されてあそこへ行き、あの街で歓迎されてきた。街の人たちが見せてくれた数々のことを思えば、俺は間違いなく自分こそが史上最高のウィザードなんだと自負している」

 1961年にシカゴ・パッカーズとして創設されたチームは、これまでウェス・アンセルドやエルビン・ヘイズ、ウォルト・ベラミーといった殿堂入りビッグマンがプレーしてきた。在籍年数ではアンセルドが13シーズンで歴代トップ、続いてビールが11シーズンで2位にいる一方、ウォールの実働9シーズン(在籍は10シーズン)は3位タイだが、在籍中に残した平均9.2アシスト、通算5282アシスト、976スティールはいずれもフランチャイズ史上トップとなっている。

 ウォールがフランチャイズ史上最高の選手かは意見が分かれるだろうが、2010年代のウィザーズを支えたのは間違いなくこの男であり、2022年の凱旋試合ではファンから盛大な歓迎を受けている。その功績を鑑みればウォールが着用した2番は近い将来、チームの永久欠番になっても不思議はないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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