NBAミネソタ・ティンバーウルブズの若きエース、アンソニー・エドワーズの発言が物議を醸している。
23歳のシューティングガードは、現在3シーズン連続で平均20点以上を叩き出し、2年連続でオールスターに選出中。昨季はオールNBA2ndチームにも選ばれた。超人的なダンクやアクロバティックなプレーの数々でハイライトシーンを彩り、昨年のFIBAワールドカップ、今夏のパリオリンピックではアメリカ代表にも名を連ねている。
ただその一方で、トラッシュトーカーの一面も持つ男は闘争心を前面に押し出しすぎてしまうことも。現地時間8月19日に米メディア『The Wall Street Journal』へ公開されたインタビューで、NBAの現在と過去についてこんな発言をしていた。
「過去(のNBA)を見ていないから、そのことについてあまり話せない。今よりあの頃の方がタフだったという。だけど誰にでもスキルが備わっていたとは思っていない。本物のスキルが備わっていたのはたった1人(マイケル・ジョーダン)だけだった。だから、コビー(ブライアント)を見た時に『なんてこった』って反応になるのさ。でも今では誰にでもスキルが備わっている」
リーグの礎を築いたレジェンドたちや、バスケットボールというゲームを軽視する発言に、周囲が反論したのは当然のこと。ミシガン州大で1979年にNCAAトーナメントを制し、ロサンゼルス・レイカーズで5度のNBA制覇を果たしたマジック・ジョンソンは、25日に米スポーツ専門局『ESPN』でコメンテーターを務めるスティーブン・A・スミスとのインタビューでこう反論した。
「私はチャンピオンシップを勝ち獲ったことがないヤツの声に応じることはない。彼はカレッジでもチャンピオンシップを制していないじゃないか。高校でチャンピオンシップを手にしたのかさえわからない」
また、ケビン・ガーネット(元ウルブズほか)も先日ポッドキャスト番組『KG CERTIFIED』で「正直に言えば、今のヤツらが20年前のNBAでプレーできていたとは思えないね。これはアント(エドワーズの愛称)に限らず、いま俺たちのリーグにいる全員に言えることだ」と苦言を呈していた。
9月2日には現役選手も声を上げた。フィラデルフィア・セブンティシクサーズのポール・ジョージが、自身のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』にて、エドワーズの発言は往年の選手たちに対するリスペクトが欠けていたと語ったのだ。
「あれはゲームへの敬意を欠くような発言だった。俺はすごく未熟なコメントだと思ったね。もちろん、アンソニー・エドワーズはめちゃくちゃ才能がある選手だし、これから先も注目すべきタレントではある。
だけどゲームがどれだけ成長を遂げてきたのか、俺たちがプレーする前から活躍してきた先人たちへ敬意を払わなきゃいけない。それこそがあの時代と今の時代との変化、あるいは転換ってやつなんだ。マジックと(ラリー)バードのことをほとんど知らないんだろうね。だけど選手であれば、彼らのことを知っておくべきだ」
エドワーズの発言は、リーグ有数の選手としての立ち位置を掴んだこと、さらにパリ五輪で金メダルを獲得したことによる自信も重なり、思わず口から飛び出してしまったものかもしれない。
とはいえジョージが語った通り、これまでNBAでプレーし、歴史を紡いできたレジェンドたちを軽視するような発言は彼らの機嫌を損ねるだけでなく、自身の評価やイメージにも悪影響を及ぼすだけに、今後は注意が必要だろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
重鎮マジックは“レジェンド軽視”のエドワーズは眼中になし?「優勝してないヤツの声には応じない」とバッサリ<DUNKSHOOT>
23歳のシューティングガードは、現在3シーズン連続で平均20点以上を叩き出し、2年連続でオールスターに選出中。昨季はオールNBA2ndチームにも選ばれた。超人的なダンクやアクロバティックなプレーの数々でハイライトシーンを彩り、昨年のFIBAワールドカップ、今夏のパリオリンピックではアメリカ代表にも名を連ねている。
ただその一方で、トラッシュトーカーの一面も持つ男は闘争心を前面に押し出しすぎてしまうことも。現地時間8月19日に米メディア『The Wall Street Journal』へ公開されたインタビューで、NBAの現在と過去についてこんな発言をしていた。
「過去(のNBA)を見ていないから、そのことについてあまり話せない。今よりあの頃の方がタフだったという。だけど誰にでもスキルが備わっていたとは思っていない。本物のスキルが備わっていたのはたった1人(マイケル・ジョーダン)だけだった。だから、コビー(ブライアント)を見た時に『なんてこった』って反応になるのさ。でも今では誰にでもスキルが備わっている」
リーグの礎を築いたレジェンドたちや、バスケットボールというゲームを軽視する発言に、周囲が反論したのは当然のこと。ミシガン州大で1979年にNCAAトーナメントを制し、ロサンゼルス・レイカーズで5度のNBA制覇を果たしたマジック・ジョンソンは、25日に米スポーツ専門局『ESPN』でコメンテーターを務めるスティーブン・A・スミスとのインタビューでこう反論した。
「私はチャンピオンシップを勝ち獲ったことがないヤツの声に応じることはない。彼はカレッジでもチャンピオンシップを制していないじゃないか。高校でチャンピオンシップを手にしたのかさえわからない」
また、ケビン・ガーネット(元ウルブズほか)も先日ポッドキャスト番組『KG CERTIFIED』で「正直に言えば、今のヤツらが20年前のNBAでプレーできていたとは思えないね。これはアント(エドワーズの愛称)に限らず、いま俺たちのリーグにいる全員に言えることだ」と苦言を呈していた。
9月2日には現役選手も声を上げた。フィラデルフィア・セブンティシクサーズのポール・ジョージが、自身のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』にて、エドワーズの発言は往年の選手たちに対するリスペクトが欠けていたと語ったのだ。
「あれはゲームへの敬意を欠くような発言だった。俺はすごく未熟なコメントだと思ったね。もちろん、アンソニー・エドワーズはめちゃくちゃ才能がある選手だし、これから先も注目すべきタレントではある。
だけどゲームがどれだけ成長を遂げてきたのか、俺たちがプレーする前から活躍してきた先人たちへ敬意を払わなきゃいけない。それこそがあの時代と今の時代との変化、あるいは転換ってやつなんだ。マジックと(ラリー)バードのことをほとんど知らないんだろうね。だけど選手であれば、彼らのことを知っておくべきだ」
エドワーズの発言は、リーグ有数の選手としての立ち位置を掴んだこと、さらにパリ五輪で金メダルを獲得したことによる自信も重なり、思わず口から飛び出してしまったものかもしれない。
とはいえジョージが語った通り、これまでNBAでプレーし、歴史を紡いできたレジェンドたちを軽視するような発言は彼らの機嫌を損ねるだけでなく、自身の評価やイメージにも悪影響を及ぼすだけに、今後は注意が必要だろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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