ニューヨーク・ニックスは、ボストン・セルティックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズとともにNBA最古の球団のひとつだ。1946年にNBAの前身であるBAA(Basketball Association of America)のチームとして創設され、70、73年にウィリス・リード、ウォルト・フレイジャーらを擁して頂点に立った。
1990年代にはパトリック・ユーイング、ジョン・スタークス、チャールズ・オークレーなど個性的なメンバーを揃え、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズとプレーオフで何度も死闘を繰り広げる。
チームはジョーダンが引退した94年にファイナル進出を果たしたが、ヒューストン・ロケッツに3勝4敗で惜敗。ジョーダンが2度目の引退を発表した99年にはユーイングをケガで欠きながら、ラトレル・スプリーウェルやアラン・ヒューストン、ラリー・ジョンソンらが躍動し、“ミラクル・ニックス”として第8シードからイーストを勝ち上がったものの、頂上決戦ではサンアントニオ・スパーズに1勝4敗で敗れた。
最後の優勝から50年以上、カンファレンス決勝の舞台からも2000年を最後に遠ざかっているニックス。ただ、昨季は司令塔のジェイレン・ブランソンを中心にイースト2位の好成績を残し、プレーオフでもカンファレンス決勝まであと1勝に迫った。
今オフにはアメリカ代表経験のある3&Dのミケル・ブリッジズをブルックリン・ネッツから、得点力の高いビッグマンのカール・アンソニー・タウンズをミネソタ・ティンバーウルブズからそれぞれトレードで加えた。
フロントはこの2件のトレードを成立させるためにジュリアス・ランドル、ドンテ・ディビンチェンゾ、ボーヤン・ボグダノビッチ、ママディ・ディアキーテ、シェイク・ミルトン、複数のドラフト指名権を手放したが、攻守のバランスが取れたブリッジズと、平均20点、10リバウンドを計算できるタウンズの加入は朗報で、今季はリーグ制覇を期待する者も多いだろう。
そんななか、ポッドキャスト番組『The Ticket and the Truth』で殿堂入り選手のケビン・ガーネット(KG)はニックスの優勝の可能性について言及した。
「マイアミ(ヒート)が教えてくれたことで言うと、健康がすべてだ。ジミー・バトラーがフロアにいれば違いが生まれ、ジミー・バトラーが負傷して違いが生まれた。(バックスの)ヤニス(アデトクンボ)が(2023年のプレーオフで)腰を痛めた時と同じように、それが違いを生むんだ。全員が健康であることはもちろん必要だし、運や偶然も時には必要だ」
2008年にセルティックスで優勝を勝ち取ったKGは、NBAでチャンピオンになるには戦力が充実していることに加え、主力が健康であること、そして運も必要であると力説し、次のように続けた。
「ブランソンは勝つチャンスがあると思う。ビッグショットを打てるし、大学で一緒にプレーした仲間も加わった。凄いことさ。ニックスを高く評価しているというわけでもないけどね」
昨季はセルティックスが圧倒的な強さで球団史上18度目のリーグ制覇を成し遂げたが、大型補強を敢行したニックスは王者の連覇を阻止できるのか。
構成●ダンクシュート編集部
「俺が生きているうちに優勝するとは思っていない」ピアースが新生ニックスを辛口評価「ベストプレーヤーがいないんだ」<DUNKSHOOT>
ニックスがタウンズ獲得で戦力アップも、セルティックス指揮官は意に介さず「問題があるとは見ていない」<DUNKSHOOT>
「他球団が何しようとどうでもいい」タウンズのニックス移籍にブラウンは無関心。一方ホーフォードは「大きい動きになる」と警戒<DUNKSHOOT>
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