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NBA

「良いことも、悪いことも楽しめた経験を学びの道具として使う」カワイ・レナードの勝利の哲学は、クリッパーズに初優勝をもたらすか?

北舘洋一郎

2020.01.17

時にはHCよりも重みのある存在感を示すレナードは、クリッパーズの勝利の全てを掌握する。(C)Getty Images

時にはHCよりも重みのある存在感を示すレナードは、クリッパーズの勝利の全てを掌握する。(C)Getty Images

 2月のオールスターを前にロサンゼルス・クリッパーズのカワイ・レナードがメキメキと調子を上げている。1月10日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で36得点をあげると、12日のデンバー・ナゲッツ戦では30得点、14日のクリーブランド・キャバリアーズ戦では43得点……。今季、チーム史上初のファイナル進出を狙うクリッパーズにとってレナードの活躍=勝利という方程式は徐々にレベルアップしてきているように感じる。

 レナードは“勝利の方程式”について次のように語る。「どの試合においても絶対に勝ち急いではいけない。試合に起こり得るすべてのことを受け入れ、それをどんな時も楽しむ、そういうプロセスを楽しめるようになることだ。もし自分たちがスランプになった時に、良いことも、悪いことも楽しめた経験を学びの道具として使うことだ」

 現役でレナードはNBA最高の優勝請負人と言っても良いだろう。時としてその言動はチームの最高責任者であるヘッドコーチよりも重みがあり影響力は大きい。

「キャリアの半分は偉大なスター選手の背中を見て学んだ。もちろんグレッグ・ポポビッチという最高のコーチから教えを受けたこともね。(サンアントニオ)スパーズで学んだことは自分のファンダメンタルを構築するものになった。しかし、そのままではいいとは思っていないし、そこには変化が必要だとも思っている」
 
 レナードは公共の場であまり多くを語ろうとしないが、そういった部分もスパーズ時代に学んだ事だと言う。「結局はプレーして結果を残した後で、言葉はリアリティーを持つんだ。NBAでプレーする選手たちはリアリティーにしか興味は無いんだ」

 特に今シーズン、レナードがクリッパーズに移籍した事で、同じ地区でファイナル進出を狙い、かつ同じロサンゼルスをフランチャイズにするレイカーズとの対比は興味深いものがある。近年こそクリッパーズが勝率では上回っているものの、今季のレイカーズはここまでウエスタン・カンファレンス1位。さらに彼らは優勝16回と輝かしい歴史を持つ名門であり、リーグを代表する人気チームだ。

 レイカーズOBのコビー・ブライアントは今季のレイカーズについて「今まで見てきたチームの中でも最も規格外に大きいチームのひとつ。高さ、スピード、身体能力が素晴らしい」と賞賛している。しかしレナードはそういった周囲の声を気にするそぶりもない。

 そもそも、練習と経験から得たものがどれだけあるのか、それらを最大限に発揮して結果を残せるのかにフォーカスしているレナードにとって「変えられないものを変えようとするのではなく、変われるところを変えていくことが大事」だという。
 

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