現地８月11日時点で42本。ナ・リーグの本塁打争いで大谷翔平（ロサンゼルス・ドジャース）と並んでトップに立つカイル・シュワーバー（フィラデルフィア・フィリーズ）の去就が注目を集めている。

　米誌『Sports Illustrated』は11日、「シュワーバーがフィリーズと再契約せずにフリーエージェントになった場合、故郷のチームのシンシナティ・レッズに入団する可能性はあるのだろうか？　シュワーバーはシンシナティから車で１時間ほどのオハイオ州ミドルタウン出身。子どもの頃からレッズを応援していた」と報じた。

　というのもフィリーズは、８月11日から敵地でレッズと３連戦。そんなタイミングで今シーズン終了後にFAになるシュワーバーが、米記者陣から故郷球団と契約する可能性を問われた。

　シュワーバーは、「FAには本当にさまざまな要素が絡んでくる。とくにいまプレーしている場所で、いまの仲間たちと勝ち続けたいという気持ちがあれば、なおさらだ。FAになれば未知の要素も出てくるし、ビジネス的な側面も出てくる。何が起きても受け止めようと思うが、もし、子どもの頃のカイルに聞いたら“故郷のチームでプレーしたくない理由なんてあるのか？”って答えるだろうね」と、レッズへの移籍の可能性を否定しなかった。

　レッズの状況についてもシュワーバーは把握しているようで、「トレード期限前にいくつかの動きがあったのは知っているし、若いチームだと思うけど、未来は明るいと思う。シンシナティにはそんな兆しがたくさんあると思う」と語った。

　主砲の去就については、フィリーズ専門メディア『That Balls Outta Here』も注目。11日の記事で「フィリーズとシュワーバーのドラマは、始まる前に終わるかもしれない」と伝えた。
  「キャリア最高のシーズンを送っている活躍には、目を見張る物がある。チームが勝ち続けている要因は、シュワーバーの存在が大きい。しかし、今シーズン終了後にFAになる予定で、フィリーズが引き留めるのは、ますます困難になっている。2022年に加入して以来、驚異的な打者として活躍。４年総額7900万ドル（約117億円）の契約は、その価値を十分に証明したと言える。来年以降も引き留めるには、それ以上の金額を用意しないといけない」

　また、米メディア『FanSided』は、フィリーズの編成総責任者デーブ・ドンブロウスキのコメントを掲載。スポーツラジオ番組『94.1 WIP』に出演したドンブロウスキはシュワーバーについて、「今後何年もチームにいてくれることを願っている。簡単ではない話なのは理解しているが、どうなるのか見守るしかない」と発言した。

　これを受けて同メディアは、「フィリーズのファンはきっと不安を抱くだろう。なぜならドンブロウスキの言葉には真実が含まれており、それはフィラデルフィアが明かした財政難の見通しとも完全に一致しているからだ」との見解を示している。

　ホームランを量産する32歳のスラッガーは、はたしてフィリーズに残るのか、故郷球団のレッズと契約するのか、もしくは別のチームを選ぶのか。『FanSided』は、「ロッカー内でも、フィラデルフィアの街にも愛されているシュワーバーを残すための対策を講じなければ、ドンブロウスキはMLBで最も熱狂的な地元ファンの怒りを買うだろう」と記して記事を締めた。

構成●THE DIGEST編集部

【記事】“レジェンド選手を押し退け続ける”大谷翔平、「移籍後２年間の本塁打数」で歴代トップクラスの驚異的ペース！ MLB公式記者が注目

【記事】「大谷翔平がホームランを打って、エンジェルスが勝つのは最高だ」ドジャースに４戦４勝、シーズン勝ち越し決定にエ軍ファン歓喜「LAを支配」「毎日対戦したい」

【記事】「ゲラゲラ笑ってる」大谷翔平と菊池雄星が試合前に談笑、記念撮影を前に付いたままのカメラのレンズキャップに気付くと…