大会12日は3回戦の残り4試合が行われ、ベスト8が出揃った。圧巻だったのが第2試合に登場した横浜の織田翔希(2年・投手)だ。
1回戦の敦賀気比戦では完封、綾波との2回戦では5.2回のロングリリーフを無失点と好投を続けていたが、この日も津田学園を相手に一人で投げ抜いて今大会2度目の完封勝利を挙げた。
ストレートはカウントをとるボールは140キロ台前半でも、決め球では140キロ台後半までスピードアップし、最速は151キロを計測。さらに素晴らしかったのがコントロールだ。2つの四球は与えたものの、それ以外は常にストライク先行の投球で、9回を投げて球数はわずか106球という少なさだった。投球術やスタミナは春に比べて明らかに向上しており、ますます攻略が困難になった印象だ。
横浜の野手でさすがの活躍を見せたのが阿部葉太(3年・外野手)だ。2回戦まではヒット1本と結果が出ていなかったが、この日は第2打席からレフト、センター、ライトときれいに3方向に打ち分け、3安打1打点の活躍でチームの勝利に大きく貢献した。
この日はほとんど右足を上げないノーステップに近い形でのスイングに取り組んでいたが、それでも振り出しは鋭く、打球の速さも目を見張るものがある。相手の津田学園のエース、桑山 晄太朗(3年・投手)も力のある左腕で、阿部に対してはかなり警戒しているように見えたが、厳しいコースのボールにもしっかり身体を残して対応することができていた。状態は確実に上向いているように見えるだけに、準々決勝では長打にも期待したい。 惜しくも敗れたチームで光ったのが第1試合に登場した仙台育英の川尻結大(3年・捕手)だ。第1打席では追い込まれてからのボールになる難しいチェンジアップを上手く拾ってレフト前に運ぶ先制のタイムリー。1点を追う5回の第3打席には外の速いストレートをライト前に弾き返す逆転の2点タイムリーを放つと、7回の第4打席では初球のカーブをセンター前ヒットとし、3安打3打点の活躍を見せた。
沖縄尚学のエース、末吉良丞(2年・投手)をこの夏ここまで攻略したのは、地方大会を通じても川尻が初めてである。上背はそれほどないものの、たくましい体格でパンチ力は申し分なく、体の近くから鋭く振り出せるスウィングの軌道も理想的だ。最後はタイブレークで敗れたが、守備面でも吉川陽大(3年・投手)の良さを引き出す好リードが光った。捕手としての総合力の高さは、今年の3年生では上位であることは間違いないだろう。
構成●THE DIGEST写真部
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横浜の野手でさすがの活躍を見せたのが阿部葉太(3年・外野手)だ。2回戦まではヒット1本と結果が出ていなかったが、この日は第2打席からレフト、センター、ライトときれいに3方向に打ち分け、3安打1打点の活躍でチームの勝利に大きく貢献した。
この日はほとんど右足を上げないノーステップに近い形でのスイングに取り組んでいたが、それでも振り出しは鋭く、打球の速さも目を見張るものがある。相手の津田学園のエース、桑山 晄太朗(3年・投手)も力のある左腕で、阿部に対してはかなり警戒しているように見えたが、厳しいコースのボールにもしっかり身体を残して対応することができていた。状態は確実に上向いているように見えるだけに、準々決勝では長打にも期待したい。 惜しくも敗れたチームで光ったのが第1試合に登場した仙台育英の川尻結大(3年・捕手)だ。第1打席では追い込まれてからのボールになる難しいチェンジアップを上手く拾ってレフト前に運ぶ先制のタイムリー。1点を追う5回の第3打席には外の速いストレートをライト前に弾き返す逆転の2点タイムリーを放つと、7回の第4打席では初球のカーブをセンター前ヒットとし、3安打3打点の活躍を見せた。
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