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プロ野球

【DeNA】「タイミング、リズム、ゾーン勝負」藤浪晋太郎、7回無失点9Kの好投を呼んだキーポイントは?

萩原孝弘

2025.09.01

7回無失点の好投を見せた藤浪。写真:萩原孝弘

7回無失点の好投を見せた藤浪。写真:萩原孝弘

☆大物感十分の横浜デビュー

 NPB復帰後、横浜スタジアムでのデビュー戦を7回無失点と、さすがのピッチングを披露した藤浪晋太郎がDeNAでの初勝利を挙げた。気合いを前面に押し出すなど表情豊かに躍動する姿は、入団時にテーマとしてあげていた「楽しむ」を体現し、以前のイメージとは違った印象を残している。

 お立ち台でも「後半からの加入なんで、どんな形でもチームに貢献できればと思ってます。何でもやりますし、どんな形でも一生懸命で腕振るので、これからも応援よろしくお願いします」とキラキラした笑顔で手を振る27番は、すっかり横浜のファンに受け入れられている。
 
☆好投を可能にした要因

 長年課題とされていた制球面も問題視されるほどではなく、強いボールが適度に散るスタイルで打者を封じる。それを可能にした要因のひとつは「ゾーン勝負」。

 藤浪も「基本はゾーンで勝負していこうというところですね。いかにファーストピッチでストライクを取れるか、1-1から1-2にできるかというところです」と打者を追い込むことを心がける。そこには「元々コントロールがいい方ではないですので、四隅に投げられるコントロールはないです」と自身の特性は熟知しているからこそ「確率論として期待値の高い方に投球できるようにという意味で、とにかくゾーンに投げることを意識しています」と状況に応じてカウントアップし、ピッチャー優位にゲームを進めるプランを優先事項に挙げる。

 女房役を努めた松尾汐恩も「1球1球は本当にすごい球。受けてみると圧が全然違う」と目を丸くするほどのボールは健在で、追い込めれば三振の確率は上がる。早めに仕掛けてくれば、適度に散る強いボールによってファウルでカウントを稼ぐこともでき、フォアボールのリスクも減っていく。この好サイクルが、好投につながっている。

 小杉陽太ピッチングコーチも「どんどんゾーンにボールを集めてくれました」とプラン通りのピッチングに笑顔。「打者の情報より晋太郎軸で行く。とにかくゾーン内でアグレッシブに攻めていく」ことに焦点を当て「バンテリンドームで投げたときのデータを踏まえて、今日よりゾーンの中に集めるためにはどうしたらいいかをやりました。AIチームの持っているコマンドのデータにもすごく興味を持ってくれたので、それも使いましたね」とDeNAの誇るAIも駆使して、ゾーン内勝負にこだわった。

 その狙いのひとつとして、「今日はたまたま左バッターだけでしたけど、左右関係なくいかにゾーンに集められるかという取り組みです」と過剰反応気味な右打者のケースにも触れ、「フォーシームとツーシーム、ほぼスライダーのカットボールがピッチトンネルを通ってくれていました」と好投に頬を緩ませた。
 
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