９月も中盤に差しかかり、レギュラーシーズンの戦いが佳境を迎えているなか、すでにポストシーズン進出が濃厚なロサンゼルス・ドジャースに対し、現地アナリストから厳しい視線が向けられている。米メディア『Sports Illustrated』は、ドジャースが抱える“深刻な懸念材料”について報じており、ワールドシリーズ連覇を狙うチームの不安要素を挙げた。

　ここにきて、ドジャースは先発ローテーションが安定感を発揮しており、ポストシーズンに向けた明るい材料となっている。しかしながら、その盤石な先発陣とは対照的に、ブルペン陣には深刻な不安が残る。ドジャースはオフに１億700万ドル（約158億円）を投じてリリーフ陣の補強を敢行したが、現時点でチームのブルペン防御率は4.17とメジャー全体で19位にとどまっており、高額投資に見合う期待には応えられていないのが現状だ。
  　なかでもクローザーとして期待されたタナー・スコットは、防御率4.47でセーブ数は21にとどまり、接戦や重要な局面での失点が目立つなど、信頼を得るには至っていない。また、故障明けのブレイク・トライネンも本来の投球からは程遠く、戦力として計算するには依然として不安が残る。

　こうしたリリーフ陣の状態は指揮官であるデーブ・ロバーツ監督にも重くのしかかっている。同メディアは、「監督が誰に継投を託せばよいか判断できない状態にある」とし、戦略的な継投プランが確立されていないことが、チーム全体の不安定さにつながっていると指摘した。

　記事では、残り16試合となったレギュラーシーズンが、今後の戦力見極めにとって極めて重要な期間であると位置づけている。ドジャースは優勝候補筆頭と目されるだけの戦力を有していることは間違いないが、ブルペンの再構築、継投戦略の明確化といった課題をクリアしなければ、短期決戦となるポストシーズンに“もろさ”が露呈する恐れもある。

　残された試合の中で、ドジャースは課題を克服し、明確な道筋を立てられるのだろうか。その行方に注目が集まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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