現地９月12日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸は、敵地で行なわれたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に先発登板し、７回１安打１失点、10奪三振の快投を披露。しかし、打線の援護に恵まれず、勝利投手の権利は得られず、今季12勝目とはならなかった。

　山本はこの日、27歳の捕手ベン・ロートベットとバッテリーを組んで登板。初回、先頭のエリオット・ラモスを高めの直球（約155キロ）で空振り三振に仕留めたものの、続く２番ラファエル・デバースを四球で歩かせた。１死一塁から強打者ウィリー・アダメスに左中間への二塁打を浴び、デバースが一気に生還。先制点を許した。

　２回は、先頭の６番イ・ジョンフを左飛に打ち取ると、続くケーシー・シュミットとパトリック・ベイリーを連続で内野ゴロに抑えた。３回も２番デバースを直球（約155キロ）で空振り三振に仕留めるなど、好ピッチングを見せつけた。その後も安定した投球を続け、６イニング連続で三者凡退に抑える好投を披露。最終的に７回（91球）を投げて、被安打１、10奪三振、１四球、１失点の内容でマウンドを降りた。
 
　一方、ドジャース打線は42歳のレジェンド右腕ジャスティン・バーランダーの前に６回までわずか２安打無得点と沈黙。山本を援護できずにいたが、７回先頭でマイケル・コンフォートが11号本塁打を放ち、１対１の同点に追いついた。しかし延長10回の末、１死満塁で打席に立ったジャイアンツのパトリック・ベイリーに満塁ホームランを浴び、一挙４点を失い、１対５でサヨナラ負けとなった。

　この結果に対して、ドジャース専門メディア『Dodgers Nation』は公式Xで「ヤマモトはこの日もわずか１安打１失点に抑える好投を披露。しかし、ドジャース打線は１点しか取れず、延長10回に満塁弾を浴びてサヨナラ負けを喫した。これは辛い、本当に胸が痛む展開だ」と悔しさを滲ませた。また、同メディアの記者も自身のXで「ヤマモトの素晴らしい投球は、無駄になってしまった。痛恨の敗戦となった」と嘆いた。

　ドジャース専門メディア『Dodger Blue』は「ヤマモト・ヨシノブが歴史的な登板をみせた、しかしドジャースはジャイアンツに打ち負かされる」と題した記事を掲載。山本の投球について、「ドジャースの投手としては2017年のクレイトン・カーショーウ以来となる『３試合連続７回以上＆二桁奪三振』を達成した」と称賛した。

　なおドジャースはサンフランシスコ・ジャイアンツに延長10回の末、１対５で敗れたが、２位のサンディエゴ・パドレスもコロラド・ロッキーズに２対４で敗戦。そのためドジャースのナ・リーグ西地区における優勝マジックは１つ減り「12」となった。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】山本由伸がジャイアンツ戦で披露したピッチング！