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MLB

超人的な身体能力を誇る野生児に元二刀流の本格派エース、世界一2度の名将...ドジャースが対戦するレッズの「要注意人物」たち<SLUGGER>

藤原彬

2025.09.30

左から時計回りにデラクルーズ、グリーン、フランコーナ監督、アボット。第6シードとはいえ、決して侮れない相手だ。(写真)GETTY IMAGES

左から時計回りにデラクルーズ、グリーン、フランコーナ監督、アボット。第6シードとはいえ、決して侮れない相手だ。(写真)GETTY IMAGES

 いよいよ明日(日本時間10月1日/現地9月30日)からMLBのプレーオフが開幕する。ドジャースが2勝勝ち抜けのワイルドカード・シリーズで対戦するのはレッズ。短縮シーズンを除けば、2013年以来12年ぶりの大舞台に臨むチームで注目すべき5人を紹介しよう。

■エリー・デラクルーズ(遊撃手)
 走攻守に超人的な身体能力でファンを魅了する野生児は昨季に続いて20-30(22本塁打/37盗塁)をクリア。左太腿の故障もあり67盗塁でタイトルを手にした昨季ほどの爆発力はないが、その分は変化球への対応が向上して三振率を改善させるなど、粗さが抜けた。プレーオフ進出を賭けたシーズン最終戦では、試合に敗れたが先制ソロアーチを放っていて、ドジャースとしては最も勢いに乗せたくない選手だろう。両打ちだが左投手を苦手としていて、ジャスティン・ロブレスキー、アンソニー・バンダやアレックス・ベシアら救援レフティたちの働きも重要になる。

■ハンター・グリーン(投手)
 高校時代は二刀流で鳴らし、17年ドラフト全体2位でプロ入りしたアスリートは、現在はエースとしてレッズ投手陣を牽引する。故障離脱があった今季も平均100マイルに迫るスピードボールを武器に107.2回で132奪三振、防御率2.76と支配力を誇った。投球の9割近くが自慢の4シームとスライダーが占め、いずれも被打率1割台。9月18日にはカブス相手に1安打完封勝利を演じてみせた。フライ系ゆえに長打も打たれがちで、8月25日のドジャース戦ではアンディ・パヘスに2被弾で黒星を喫している。真価が問われるプレーオフ初マウンドでは、地元ロサンゼルスでのキャリア初勝利を飾れるか。

■ノエルビ・マーテイ(右翼手)
 今季、飛躍を遂げた新鋭。がっちりした体格に走攻守のツールを兼ね備え、故障による戦線離脱がありながらも90試合で14本塁打を放り込んだ。ドジャース戦ではタイラー・グラスナウと大谷翔平から勝ち越し弾も放っている。初球から積極的に振るプルヒッティングで打球はスタンドを優に越え、変化球もうまく捉えるだけに、投手は甘い球を投げないように注意を払わなければならない。後半戦には三塁から右翼へ転向してハッスルプレーを続け、強肩やランニングホームランも披露するなど持ち味を発揮している。

■アンドリュー・アボット(先発投手)
 フォームは豪快だが、緩い変化球で打者のタイミングを巧みに外す軟投派左腕。今季はキャリア初完封勝利も通過点にチーム唯一の規定投球回に達し、負けられないシーズン161試合目のブルワーズ戦で白星をもぎ取るなど、投手陣の大黒柱的存在であり続けた。例年通りに今年も変化球のレパートリーを調整し、三振の半分以上は平均球速93マイル程度の4シームで奪っている。実は、これまでのメジャー3年間でドジャース戦の登板は一度もない。初対決は投手有利とよく言われるが、果たしてどうなるか。

■ニック・ロドロ(先発投手)
 サイドに近い角度から決め球カーブ含む4球種をバランス良く投じ、4シームは左打者の内角に食い込むような独特の変化を見せる。今季の与四球率1.78は150投球回以上のリーグベストで、3四球以上の登板はなし。選球眼に優れるドジャース打線と言えども、その持ち味を封じられる可能性はある。実際、7月29日の対戦では大谷翔平からの3打席連続3三振も含め5.1回で11Kの快投。ワイルドカード・シリーズではブルペン待機の予定で、試合中盤の要所で登場するかもしれない。

■テリー・フランコーナ(監督)
 将来の殿堂入り濃厚な名監督が、2年ぶりの現場復帰で若手中心のチームを見事にプレーオフへ導いた。豪華陣容のドジャースとの戦力比較ではあらゆる面で不利だが、デーブ・ロバーツ監督は現役時代に自らの下でプレーしたこともある、いわば「教え子」の一人。王者に対しても心の余裕を持って臨んでくるだろう。2004、07年にレッドソックスでワールドシリーズを制しただけでなく、16年には資金力が充実しているとは言えないガーディアンズ(当時インディアンス)をリーグ優勝に導いた。選手をやる気にさせる手腕にかけては当代随一。レッズが番狂せを演じるとすれば、この人の采配にもスポットライトが当たるはずだ。

文●藤原彬

【著者プロフィール】
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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