現地９月29日、今季シンシナティ・レッズでプレーしているギャビン・ラックスは、敵地ドジャー・スタジアムでワイルドカードシリーズ（WCS）の前日会見に臨み、大一番への意気込みを語った。昨季まで所属していた古巣との対戦に闘志をメラメラ燃やしている。

　2016年のドラフトでロサンゼルス・ドジャースから１巡目指名を受け、19年にメジャーデビューを果たしたラックス。23年は右膝の前十字靭帯断裂で全休したが、昨季は139試合に出場して打率.251、10本塁打、50打点をマークするなど、正二塁手としてチームのワールドシリーズ（WS）制覇に大きく貢献した。

　だが今年１月、ドジャースが韓国からキム・ヘソンを獲得したことでポジションが重複。押し出される格好となり、ラックスはレッズにトレードされた。初の移籍を経験した27歳だが、この新天地でもいぶし銀の活躍。140試合に出場して打率.269、５本塁打、53打点と結果を残し、５年ぶりのポストシーズン進出に貢献。自身としては２シーズン連続の舞台となる。

　大谷翔平をはじめ昨季までチームメイトだった選手が在籍しており、顔なじみも多い。試合を前日に控え、ドジャース専門サイト『Dodger Blue』の取材に応じたラックスは、「ここで戦いに挑むのが楽しみだ」と胸を弾ませた。
  　だがレッズは今季ドジャースに１勝５敗と大きく負け越しており、相性が悪い。この対戦成績について質問されると、「ちょうど僕たちの悪い時期だったように思う」とコメント。意に介していない様子を窺わせた。

　チームはレギュラーシーズン最終戦でWC最後の枠に滑り込んだ。「僕たちは今、ここ６週間で全く別のチームになっている」と話し、勢いに乗るチームの状態に確かな自信をのぞかせていた。

「知っての通り、間違いなくドジャースは本当にいいチームだ。素晴らしい才能が揃っている。自滅はしないだろうから、僕たちがクリーンな野球をしなければならないし、初球から準備万端で臨まなければならない。しかし、僕たちは８月に対戦した時とは、全く違うチームになっていると思うから気を付けた方がいいよ」

　2019年から５シーズン、ドジャー・ブルーだったラックス。レッズのユニホームに違和感はないかと問われると、「もうそれは通り過ぎたような気がする。ドジャースが僕にしてくれたことは全てに感謝しているけど、もう僕は準備万端だよ」と話し、“打倒ドジャース”へ力を込めた。

　２戦先勝となる３回戦制のWCシリーズで古巣の厚い壁を打ち破れるのか。元ドジャース戦士の存在は侮れない。

構成●THE DIGEST編集部

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