エースが勝利に導いた。
　
　現地10月25日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が敵地でトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第２戦に先発。４安打８奪三振１死球、１失点で２試合連続となる９回完投で今ポストシーズン３勝目を飾った。

　初回に１点の援護をもらった山本は立ち上がり、１番のジョージ・スプリンガーに左二塁打を打たれると、２番ネーサン・ルークスに左安打。無死一、三塁といきなりピンチを迎える。だが続くブラディミール・ゲレーロJr.でギアを上げた右腕はスプリット中心に攻めて追い込むと、最後は緩いカーブで空振り三振。続くアレハンドロ・カークを一直に仕留めて２死までこぎ着けると、ドールトン・バーショをカーブで見逃し三振にピシャリ。ゼロでしのいだ。

　３回は先頭のスプリンガーに死球を与えると、ゲレーロJr.には痛烈な左安打を打たれ１死一、三塁と再びピンチを招くと、４番のカークに犠飛で同点とされる。追いつかれたが、後続を打ち取り１点だけにとどめた。

　強力ブルージェイズ打線を相手に常にランナーを背負うが、粘りの投球を見せる山本。４回、５回は三者凡退に抑え尻上がりに素晴らしいピッチングをみせる。

　６回はカークをカーブで空振り三振に斬って取るなど、球数を抑える省エネ投法でテンポよくアウトを重ねる。

　７回表にウィル・スミス、マックス・マンシーの連続ソロホームランで２点のリードをもらった山本は、わずか８球で三者凡退。ブルージェイズ打線に隙を与えない。

　８回に味方打線がさらに２点を加点し５対１と点差が開くと、山本はこのイニングも続投。先頭のアンドレス・ヒメネスをカーブで空振り。スプリンガーを154キロの直球で空振り。ネーサン・ルークスを簡単に追い込むと、最後は外角低めに155キロの直球をズバッと見逃し。終盤で圧巻の三者連続三振に斬って取るハイパフォーマンスを魅せた。

　４点リードのまま、９回のマウンドも続投した山本。先頭のゲレーロJr.を一ゴロ、カークを中直で２死。バージョを三飛に打ち取り三者凡退。ブルージェイズ打線をねじ伏せ９回を105球、ひとりで投げ切った。
  　２試合連続完投の山本に専門メディア『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は日本人右腕の投球内容を自身のXに記したうえで、「ドジャースが最も必要としていた時に、なんという信じられないパフォーマンスだ」と脱帽。さらに別の投稿でも「ヨシノブ・ヤマモトは信じられない」と連呼。「彼はプレーオフで２試合連続完投したばかりだ。１試合はリーグ優勝決定シリーズで、もう１試合はワールドシリーズだ」と、負けられない大舞台での無双ピッチングに賛辞を送った。

　前日の初戦は２番手以降のリリーフ陣が打ち込まれ11失点で大敗したドジャース。負けられない第２戦で頼れる日本人右腕がチームを勝利に導いた。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】山本由伸が強力ブルージェイズ打線をねじ伏せる

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