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MLBがナ・リーグの順位予想を発表!“サイン盗み被害者”ドジャースが最多勝、秋山所属レッズがダルビッシュのカブスを抜いて1位?

THE DIGEST編集部

2020.02.18

“順当”な結果のア・リーグと異なり、ナ・リーグは混戦が予想された。(写真は左からダルビッシュ、秋山、ベリンジャー)。(C)Getty Images

 2月15日(日本時間16日)、MLB公式サイトはデータ分析サイト『ベースボール・プロスペクタス』と提携して今シーズンの予想順位を発表した。これは昨年度の成績や補強状況などを元に算出されている。"順当"な結果だったアメリカン・リーグと異なり、ナショナル・リーグは混戦になる、とMLBは見ているようだ。

 もっとも意外だったのは、東地区だろう。2年連続で地区優勝を果たしたブレーブスが、14個も勝ち星を減らして3位との予測。代わって1位に立ったのはメッツだ。昨年は後半戦に46勝26敗と盛り返し、その勢いが持続すると見られている。2年連続サイ・ヤング賞に輝くジェイコブ・デグロムだけでなく、打線では新人歴代最多本塁打記録を更新したピート・アロンゾなど好選手が揃っているだけに、すべて噛み合えば面白い。もっとも、上り調子の時に"やらかす"のも"お家芸"ではあるが。

 続く2位は19年世界一のナショナルズ。昨年も地区2位から球団初の快挙を成し遂げたものの、投手陣の高齢化が進み、また大活躍したアンソニー・レンドーンが流出した影響は相当に大きいと考えられる。意外に興味深いのが、絶賛再建中のマリーンズが57勝→71勝と"躍進"している点。確かに細かな補強を展開したが、まだまだ上昇への道は遠いため、デレク・ジーターCEOからしたら、ドラフト順位を引き上げるため「もっと負けてほしい」と思っているかも。

 中地区は2人の日本人メジャーリーガーがいる。ダルビッシュ有(カブス)と秋山翔吾(レッズ)だ。そして、彼らの在籍チームが地区優勝争いをすると見られている。

 カブスは昨年、4年ぶりのポストシーズンは逃したものの最終盤まで争うなど、実力は十分あり、また飛躍の可能性を秘めるダルビッシュもいるだけに、88勝はやや控えめにすら感じるが、より驚きなのは秋山加入のレッズだ。
 
 昨年5年ぶりに地区最下位を脱したばかりのチームではあるが、オフに秋山だけでなく、同地区から強打者のマイク・ムスタカスやニコラス・カステヤノスの補強に成功するなど打線のグレードアップに成功。また、投手陣の若返りにも成功しており、昨年は失点数を819→711へ減らすなど、攻守ともに上がり目が多い点が評価された形と言えるだろう。

 もっとも、ナ・リーグ中地区は再建路線を進めるパイレーツを除き、この2チームだけでなく、過去2年の地区王者カーディナルス&ブルワーズも控えており、"四つ巴"の展開となるに違いない。

 西地区は、MLBの予測通りならドジャースが8年連続Vを達成することになる。予測の103勝は両リーグ最多を数え、今年も世界一の有力候補になりそうだ。オフには18年ア・リーグMVPのムーキー・ベッツを補強し、17~18年は「サイン盗み」によって世界一を阻まれた悔しさも味わっている。果たして今季、1988年以来の頂点に立つのか注目したい。
 
 MLB.comが発表したナショナル・リーグ予想順位は以下の通り。※カッコ内は昨年の勝敗、順位

[東地区]
メッツ:88勝74敗(86勝76敗/3位)
ナショナルズ:87勝75敗(93勝69敗/2位)
ブレーブス:83勝79敗(97勝65敗/1位)
フィリーズ:77勝85敗(81勝81敗/4位)
マーリンズ:71勝91敗(57勝105敗/5位)

[中地区]
レッズ:86勝76敗(75勝87敗/4位)
カブス:85勝77敗(84勝78敗/3位)
カーディナルス:80勝82敗(91勝71敗/1位)
ブルワーズ:79勝83敗(89勝73敗/2位)
パイレーツ:70勝92敗(69勝93敗/5位)

[西地区]
ドジャース:103勝59敗(106勝56敗/1位)
パドレス:79勝83敗(70勝92敗/5位)
ダイヤモンドバックス:79勝83敗(85勝77敗/2位)
ロッキーズ:77勝85敗(71勝91敗/4位)
ジャイアンツ:68勝94敗(77勝85敗/3位)

構成●THE DIGEST編集部