山本由伸（ロサンゼルス・ドジャース）が現地10月25日、敵地で行なわれたトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第２戦に先発し、９回４安打８奪三振１失点で２試合連続の完投勝利を挙げた。チームを勝利に導いた日本人右腕の快投に同僚から賛辞が寄せられている。

　先制点をもらった直後の立ち上がりは２本の安打で無死一、三塁のピンチを招いた山本。今ポストシーズン最多６本塁打を放つ３番のブラディミール・ゲレーロJr.を迎えたところで、右腕はギアをもう一段階上げて空振り三振に仕留めると、後続をピシャリ。無失点で切り抜けた。

　３回に犠飛で同点に追いつかれたが、それ以降は快調なピッチング。強力ブルージェイズ打線に１本も安打を許さず、オール三者凡退でスコアボードにゼロを刻む。

　７回に味方打線から待望の援護点が入ると、山本はさらにテンポアップ。８回は圧巻の三者連続三振に斬って取り、相手打線に付け入る隙を与えない。

　９回のマウンドに上がった山本はゲレーロJr.から始まった好打順もあっさり三者凡退。ポストシーズンの大舞台で２試合連続完投勝利を収めたのは2001年のカート・シリング（アリゾナ・ダイヤモンドバックス）以来。米球界を代表する本格右腕と肩を並べた。
  　ドジャースのエース右腕が披露したハイパフォーマンスについて、一塁を守っていたフレディ・フリーマンは「ヨシは本当にすごいよ」と脱帽。「褒め言葉が見つからないくらいだ。ブルージェイズ打線がどれだけ強力なのか、昨日も見たから分かるだろう？（笑い）。敵地で、しかもワールドシリーズの舞台であんな投球をするなんて、信じられないよ」と話し、昨季のシリーズMVPプレーヤーも唸るピッチングだった。

　さらに「ドジャースがどうしてヨシをあれほど欲しがったのか、理由がよく分かったよ」と米放送局『Fox Sports』ら複数のメディアに明かし、山本の凄みを解説する。「ヨシのスライダーの切れ味はすごいね。もちろんスプリットもだ。試合が進むにつれて、カーブを多用していたけど、２球連続スライダーを投げて打ち取った時は『あんな球も持っているのかよ』と思ったほどだ。バッターは『もう一球来るかな』と思うが、だいたい次は違う球を投げてくる。そこが彼のいいところだ」と、打者の反応を見ながら戦術を組み立てる山本の投球術に舌を巻いた。

　日本人右腕の快投で対戦成績を１勝１敗に戻したドジャース。現地27日（日本時間28日）からの第３戦は舞台を本拠地ドジャー・スタジアムに移す。

構成●THE DIGEST編集部

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