2020年シーズン開幕まであと1か月。
開幕1軍を確約されていない若手にとっては、オープン戦が始まるここからが勝負となる。ヤクルトの高卒2年目、濱田太貴もそのひとりだ。
高校通算45本塁打、思い切りのいいスイングが魅力で将来のクリーンアップ候補と期待される右の大砲は、1軍キャンプで濃密な日々を送っている。
「いい緊張感の中でやっています」と語る濱田が今季1軍の戦力となるためには、守備や走塁のレベルアップが必須だ。この春は、河田雄祐外野守備走塁コーチがマンツーマンで濱田に指導をしてきた。
河田コーチは、濱田をこう評価する。
「打つ方がメインの選手なんだけど、走塁などにも意欲的でアグレッシブさが非常に出る子。そういうのを見ていて、もうひとつふたつレベルが上がってくれたらと思っている。第1クールはできていたのに第2クールはできなくなるとか、繰り返し言わないといけないところもあるけど、外野の守備でいえば打球判断が良くなったし、走塁もちょっとずつ良くなって、帰塁が速やかになった。スライディングが良くなったりしている」
河田コーチに基礎から細かく教わっている濱田は「『忘れない選手が(1軍に)残るぞ』とコーチに言われた」とその指導内容を忘れないようにメモをとっている。また、先輩方の練習を見て気になることがあれば、「どうやっているんですか」と積極的に聞く。この春季キャンプで、できるだけ多くのことを吸収するつもりなのだ。
得意の打撃でも新たな目標を定めている。
「長打を打てる人がいっぱいいるので、打率も残せるバッターになりたいと思っています。チャンスに強いバッターになりたいと思って、そういう練習をしています。打ち損じをしないように、追い込まれる前に勝負できるよう集中して、ファウルにしないようにしています」
そんな濱田の打撃について、松本ユウイチ打撃コーチは「バットはしっかり振れている。あとは選球眼かな。試合の勘がまだ戻っていない」と話す。これから実戦を重ねていく中で、ボールを見極める力をつけていく必要がある。
他に、今の濱田に必要なことは何か。
河田コーチからはこんな答えが返ってきた。
「体に『軸』ができてくれたら一番いいね。バッティングを見ていてもそうなんだけど、いいバッターなのにどこかちょっとふらっとしているように感じる。何をやるのでも、体に『軸』がないといけない」
昨季はシーズン終盤に1軍登録され2試合に出場、5打数無安打という結果だった。
まだ高卒2年目、焦る必要はない。それでも、河田コーチもいう「元々野球センスのある子」である部分が見え隠れするたびに、早く1軍で活躍する姿を見てみたいと大きな期待を抱いてしまう。特に打撃においては、それだけポテンシャルを感じる選手だ。
1軍キャンプ参加者のうち最年少の濱田は、開幕を1軍で迎えられるか。残り1か月、メモをとりながら練習に励んだ成果をオープン戦で見せつけたい。
文●山本祐香(タレント・スポーツライター)
【著者プロフィール】
やまもと・ゆうか/タレント活動をする傍ら、愛して止まない野球の“現場の声”を自ら届けるため、2015年よりライターとしても活動。主に日本のアマチュア野球を取材し、『スポチュニティ』などウェブ媒体を中心に執筆している。
【ヤクルトキャンプPHOTO】ファンから拍手が沸き起こる好プレーの連続!ヤクルトが充実した練習を実施!
開幕1軍を確約されていない若手にとっては、オープン戦が始まるここからが勝負となる。ヤクルトの高卒2年目、濱田太貴もそのひとりだ。
高校通算45本塁打、思い切りのいいスイングが魅力で将来のクリーンアップ候補と期待される右の大砲は、1軍キャンプで濃密な日々を送っている。
「いい緊張感の中でやっています」と語る濱田が今季1軍の戦力となるためには、守備や走塁のレベルアップが必須だ。この春は、河田雄祐外野守備走塁コーチがマンツーマンで濱田に指導をしてきた。
河田コーチは、濱田をこう評価する。
「打つ方がメインの選手なんだけど、走塁などにも意欲的でアグレッシブさが非常に出る子。そういうのを見ていて、もうひとつふたつレベルが上がってくれたらと思っている。第1クールはできていたのに第2クールはできなくなるとか、繰り返し言わないといけないところもあるけど、外野の守備でいえば打球判断が良くなったし、走塁もちょっとずつ良くなって、帰塁が速やかになった。スライディングが良くなったりしている」
河田コーチに基礎から細かく教わっている濱田は「『忘れない選手が(1軍に)残るぞ』とコーチに言われた」とその指導内容を忘れないようにメモをとっている。また、先輩方の練習を見て気になることがあれば、「どうやっているんですか」と積極的に聞く。この春季キャンプで、できるだけ多くのことを吸収するつもりなのだ。
得意の打撃でも新たな目標を定めている。
「長打を打てる人がいっぱいいるので、打率も残せるバッターになりたいと思っています。チャンスに強いバッターになりたいと思って、そういう練習をしています。打ち損じをしないように、追い込まれる前に勝負できるよう集中して、ファウルにしないようにしています」
そんな濱田の打撃について、松本ユウイチ打撃コーチは「バットはしっかり振れている。あとは選球眼かな。試合の勘がまだ戻っていない」と話す。これから実戦を重ねていく中で、ボールを見極める力をつけていく必要がある。
他に、今の濱田に必要なことは何か。
河田コーチからはこんな答えが返ってきた。
「体に『軸』ができてくれたら一番いいね。バッティングを見ていてもそうなんだけど、いいバッターなのにどこかちょっとふらっとしているように感じる。何をやるのでも、体に『軸』がないといけない」
昨季はシーズン終盤に1軍登録され2試合に出場、5打数無安打という結果だった。
まだ高卒2年目、焦る必要はない。それでも、河田コーチもいう「元々野球センスのある子」である部分が見え隠れするたびに、早く1軍で活躍する姿を見てみたいと大きな期待を抱いてしまう。特に打撃においては、それだけポテンシャルを感じる選手だ。
1軍キャンプ参加者のうち最年少の濱田は、開幕を1軍で迎えられるか。残り1か月、メモをとりながら練習に励んだ成果をオープン戦で見せつけたい。
文●山本祐香(タレント・スポーツライター)
【著者プロフィール】
やまもと・ゆうか/タレント活動をする傍ら、愛して止まない野球の“現場の声”を自ら届けるため、2015年よりライターとしても活動。主に日本のアマチュア野球を取材し、『スポチュニティ』などウェブ媒体を中心に執筆している。
【ヤクルトキャンプPHOTO】ファンから拍手が沸き起こる好プレーの連続!ヤクルトが充実した練習を実施!