現地10月31日、ロサンゼルス・ドジャースはトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第６戦を３対１で勝利。ドジャースが逆王手をかけ、明日の第７戦に決着を持ち越した。９回にはドジャースを支える36歳のベテランが併殺プレー締めの瞬間を振り返った。

　負けたら終わりのドジャースは２点リードで迎えた９回、佐々木朗希が回またぎで続投したが先頭のアレハンドロ・カークに死球、続くアディソン・バーガーに二塁打を浴び無死二、三塁のピンチを招く。ここでデーブ・ロバーツ監督は本来なら先発のタイラー・グラスノーを投入。必死の継投で逃げ切りを図る。

　グラスノーは最初の打者を１球で一飛。１死とすると、続くアンドレス・ヒメネスを左直で２死。捕球したキケ・ヘルナンデスは二塁ランナーが飛び出していたのを見逃さず、すぐさま二塁に送球。ベースカバーに入ったミゲル・ロハスがワンバウンドの難しいボールを転倒しながら掴み、飛び出していた走者をアウト。見事な好連携でドジャースが最大のピンチをしのぎ、劇的な形で逃げ切った。
  　試合を締めた殊勲のプレーを称賛したのはプロ野球解説者の五十嵐亮太氏だ。NPBだけでなく、ニューヨーク・メッツやトロント・ブルージェイズなどメジャーでのプレー経験を持つ元MLB戦士はロハスの守備を絶賛。この試合の「陰の主役」に挙げた。

　この日、９番・二塁で今シリーズ初スタメンのベテランは３打数ノーヒットに終わったが、「打席の中では結果が出なかったですけど、守備でいいプレーがあったからこそ、ドジャースは勝ちにつなげた。ロハスは守備の面でかなり貢献している」とコメント。結果的に、ロバーツ監督のロハス起用はズバリ的中したと言及した。

　事実、ロハスは９回以外でもいぶし銀のプレーを発揮している。３回裏の守備では内野安打になりそうな打球を素手でダイレクトキャッチしてアウトにする見えない好プレーを披露。五十嵐氏は「地味ですけどロハスの小さな、いや大きなファインプレー」だと指摘した。

　試合後、ロハスは「まさに壮絶な結末だった」と地元放送局『SportsNet LA』などに本音を吐露。「（左翼手の）キケの反応も素晴らしかった。しっかり前に詰めれた。二塁へ送球した瞬間、『このボールは絶対に止める』と思ったよ」と話し、最後のワンプレーの判断を明かした。

　土壇場で踏みとどまったドジャース。明日の第７戦ですべてが決着する。

構成●THE DIGEST編集部

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