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プロ野球

ロッテ期待の大砲・安田尚憲が初アーチも、その後は3打席連続三振。攻守両面に反省しきり

岩国誠

2020.02.20

初アーチ後は3三振とふるわなかった安田だが、謙虚な姿勢で巻き返しを狙う。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

初アーチ後は3三振とふるわなかった安田だが、謙虚な姿勢で巻き返しを狙う。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 今季からのレギュラー奪取を狙うロッテ・安田尚憲内野手が19日、DeNAとの練習試合でバックスクリーン直撃の”今季1号”特大弾を放ち、大砲ぶりをアピールした。

 5番・三塁で先発出場した安田は1点を追う2回表、DeNA新外国人のピープルズが投じたカウント2-1からの高めのストレートを逃さなかった。打球はセンターバックスクリーンへ一直線。今季、実戦5試合目での初アーチは推定飛距離130メートルの特大弾となった。

「感触は良かったです。センター方向にいい打球が打てたということは、自分でも自信になりますし、ああいう打球を増やしていかなければいけないと思います。一軍レベルの投手になると、攻めが厳しくなっていくので、そのあたりをしっかりとやっていきたいです」

 しかし、安田が良かったのはここまで。その後の3打席は連続で空振り三振。井口監督も「一発は出ましたが、その後の内容がよくない。真っすぐも一発で仕留めないといけないし、まだまだ確率がよくない」と苦言を呈している。

 安田自身もそのことは十分理解している。

「まだストレートを一発で仕留めきれていない。今後はもっと球速も上がってくると思うので、ストレートにしっかり対応できるように準備しておかないといけないですし、あとは去年からの課題である左投手への対応も、しっかりやっていきたいと思います」
 
 反省の弁は打撃だけでは終わらなかった。

 本塁打を放った直後の2回裏、この回の先頭打者・DeNA伊藤光が放った三塁線の打球を追いきれず二塁打とされ、その後の大量点へとつながった。

「あそこを抜かれてしまうと長打になってしまう。球際に強くなっていけるように、もっと練習してしっかりやっていきたい」

 キャンプ初日の特守から三塁線への強い打球処理の練習を幾度も行ってきた安田。「サードはホットコーナーなので、そういう強い打球に対しての反応がもっと必要になる」と意欲的に取り組んでいただけに、この記録に残らない失策を大きな反省点として受け止めていた。

 昨年もこの時期は一軍に帯同。試合後のベンチ裏で、各コーチ陣の指導を熱心に仰ぐなど、開幕一軍入りへ懸命に取り組んでいたが、その思いが実ることはなかった。ファームで1年間4番を任され、打撃2冠(打点、本塁打)を獲得したが、そこに悔しさは残った。

「昨年はオープン戦で結果に囚われすぎて、自分から崩れてしまったというのがありました。そういうのを含めて自分の実力だと思うので、去年の経験を活かして『まずは自分』。結果を気にし過ぎずに、自分のスイングを貫き通したい。精神的にもうひとつタフになっていきたいと思います」

 キャンプ初日にはそう語っていた安田だが、辛口のコメントを出しながらも起用を続ける井口監督や「今日は3三振や~!」と冗談まじりでいじりながらも、特守では足運びやグラブさばきを鍛錬に指導する鳥越コーチの思いも十分受け止めている。

「まだまだな部分もたくさんあるので、言ってもらえるだけ本当に感謝しかない。それに応えられるように頑張りたいと思います」

 ドラフト5位ルーキー・福田光輝や昨年のドラフト1位・藤原恭大ら、若い世代が結果で猛アピールを続ける中、昨年の経験を糧に自分と向き合い、レギュラー奪取への道を切り開こうと前を向く。

 今年初アーチにも反省の弁ばかりの”将来の主砲候補”は、これからのオープン戦でどれほどアピールできるだろうか。

取材・文●岩国誠(フリーライター)

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【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。

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