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統計的には代打を出すべき… WS第7戦“起死回生”の一発を呼び込んだロバーツ采配 土壇場での選手起用を米メディアも称賛「ポストシーズンは数字じゃない」

THE DIGEST編集部

2025.11.06

敗色濃厚となった9回、ロハスに起死回生の一発が生まれた。(C) Getty Images

 ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、米ポットキャスト番組『Dan Patrick Show』に出演し、ワールドシリーズでの采配について語った。トロント・ブルージェイズとの拮抗した戦いが繰り広げられ迎えた第7戦での選手起用を同番組でのインタビューで振り返っており、スポーツメディア『ClutchPoints』のトピック内でも伝えられている。
 

 ロバーツ監督は、今回報じられたコメントの意図として、瀬戸際の中での采配では、最後は「選手への信頼」を貫いたと言う。

「ポストシーズンでは数字じゃない。選手を信じることが大事なんだ。監督の仕事は、選手を"知る"ことであって、統計を"知る"ことじゃない。10月に11試合、13試合を勝つには、選手を信じ、選手を理解しなければならない。私たちはそれを実行しただけだ」

 雌雄を決した第7戦、ドジャースは9回まで3対4と追いかける展開となったが、9番のミゲル・ロハスにソロ本塁打が飛び出し、土壇場で同点に追いつく。この起死回生の一発で踏みとどまったチームは11回、ウィル・スミスのアーチで逆転に成功し、リードを守り抜き試合を制した。

 インタビューの中では、9回のロハスの打席において、代打起用の可能性について指揮官に質問が向けられており、『ClutchPoints』では、そのままベテランがバッターボックスに立った背景として「ロバーツはロハスを信じて送り出した」などと伝えている。

 また記事では、ロバーツ監督がチームを束ねる上での信念を以下のように打ち明けている。

「目で見ることと直感だよ。なぜか人々はアナリティクスから離れられないんだ。彼らは自分のやり方に固執していて、変わることはない」

 同メディアは、第6戦で先発した山本由伸の第7戦での救援起用などに関しても、やはり、「数字よりも自分の目、感覚での判断」を優先させた結果だったと説明。加えて、「今回のワールドシリーズ制覇は昨年とはやや違う形ではあったが、チームを逆境から導いたロバーツの哲学は変わらなかった」と評しながら、「アナリティクス的には代打を出すべきとされたロハスを信じて打席に送り続けた判断が、最終的に正解だった。その信頼こそが、ドジャースを再び王座へと導いたのである」と結論付けている。

 ロバーツ監督による瀬戸際での選手起用が見事に当たり連覇を呼び込んだ今回の頂上決戦。その采配の数々は、後年まで語り継がれていくものとなるはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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