ア・リーグのMVPが、現地11月13日（日本時間14日）に発表される。最終候補者には、アーロン・ジャッジ（ニューヨーク・ヤンキース）、カル・ローリー（シアトル・マリナーズ）、ホセ・ラミレス（クリーブランド・ガーディアンズ）の３名が挙がっている。

　３選手はいずれも野手で、ジャッジが打率.331、53本塁打、114打点、OPS1.144で首位打者を獲得。ローリーは打率.247、60本塁打、125打点、OPS.948でホームラン王と打点王の２冠に輝いた。ラミレスは打率.283、30本塁打、85打点、OPS.863をマークした。

　ジャッジとローリーの“一騎打ち”が見込まれるなか、米スポーツ専門局『ESPN』のブラッドフォード・ドゥーリトル記者が「2025年MLBアワード：MVP、サイ・ヤング、その他の予測と結果」と題した記事で、ア・リーグのMVPにはローリーが選ばれると予想する。

　指標ではジャッジが上回っているとしつつ、「ナラティブ（物語）と無形の要素が指標を圧倒するケースだと私は考えている。それはジャッジの指標を過小評価するものではなく、彼の数字はMVPに十分値する。しかし、ジャッジがまた歴史的なシーズンを送ったにもかかわらず、私はローリーを選ぶ」と断言。以下のように続ける
  「私の考えを左右する『ソフトファクター』は以下の通りだ。ローリーのシーズン60本塁打は、正捕手への期待から見れば、SF小説の世界の話だ。それは同ポジションの単一シーズン記録を打ち砕いただけでなく、スイッチヒッターの本塁打記録であるミッキー・マントルの記録も更新した。ミッキー・マントルだぞ！そしてローリーは（かなり優れた）捕手なのだ！」

「ローリーはこれら全てを、地区優勝チームの守備の要であり、クラブハウスのリーダーとして成し遂げた。2025年版のアーロン・ジャッジよりも誰かをMVPに選ぶシーズンはあまりないが、今年はその一つだ。確かに私は統計派なので、これはその基盤からの逸脱に感じるかもしれないが、時にはナラティブがあまりにも説得力があって無視できないこともある」

　ジャッジの驚異的な長打力と好スタッツを、ローリーが成し遂げた快挙が上回るという考えのようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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