現役時代は横浜（現・DeNA）などで活躍し、盗塁王やベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞などを受賞した野球解説者の高木豊氏が、自身のYouTubeチャンネル番組で、NPB投手の中から“第二の山本由伸”になれる可能性がある３右腕をセレクトした。

　３勝を挙げてワールドシリーズMVPに選ばれ、ロサンゼルス・ドジャースを球団史上初の２年連続世界一に導いた山本由伸に、将来的に匹敵するのは誰か。

　高木氏はひとり目に中日ドラゴンズの高橋宏斗を挙げた。「ボールに勢いがある。由伸を真似してきているよね。寄せてきているというか。憧れもあるだろうし、背中を追っかけている。形になったらいけると思う」と語った。

　高橋は2025年、イニング数こそ24年の143回２／３から171回２／３に増えたものの、12勝４敗・防御率1.38から、８勝10敗・防御率2.83と数字が悪化。高木氏はバランス悪化を理由とし、意識の変化で改善できると主張している。

「もう少し慎重に。集中力の問題。切れる瞬間が出るし、勝負に対しての淡泊さが出る。勝たなきゃいけないピッチャー。粘りを身につけていくと、より近づける。由伸はメジャーで真っ直ぐを高めに見せて、スプリットとスライダー、カット、ツーシームの変化球（で勝負している）じゃない。由伸でさえ、そういうことをやっている。佐々木朗希だって（160キロを超える）真っ直ぐを打たれるんだから。変化球の精度がいかに大切かって分かる。日本だけならいいけど、そろそろスタイルを変えないとね」
  　続いて指名したのは、オリックス・バファローズの山下舜平大だ。高卒３年目の23年に９勝を挙げて新人王に輝いて以降、故障の影響でフル回転できていない。「規格がでかい。楽しみだよね。真っ直ぐの力と、フォークとカーブの落ち方。完成品になったら由伸を超えるのでは、というぐらいのものは持っている」と評価。課題はスタミナと故障の克服だとし、順調にいけば、あと３年で山本クラスになれると予言した。

　３人目に名前を出したのは、北海道日本ハムファイターズの高卒ルーキー柴田獅子。左打者としての高い才能も評価される“二刀流選手”は、７月に投手で一軍デビューした。高木氏はバッティングも評価し、投手としては「デビューをさせたいと思わせる素質なんだよ。いいものがあるし、これからもっと速くなるんだろうと思うと、末恐ろしい感じがする」。日本ハムの投手育成力も追い風になるとし、今後の成長に期待した。

　３投手とも、来シーズンもNPBでプレーする。どのような飛躍を見せて、識者やファンを唸らせるのか楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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