ロサンゼルス・ドジャースが“サプライズ補強”を行なうかもしれない。ドジャース専門メディア『Dodgers Way』が現地12月１日の記事で言及した。

「今オフに誰もが注目しているのが、タリク・スクーバル（デトロイト・タイガース）だ。もし、チャンスがあればドジャースもスーパースター左腕の獲得を試みるだろう。しかし、多くの関係者は、スクーバルは今冬に移籍しないと見ている。タイガースが同等規模の見返りを得ることが、ほぼ不可能だからだ。もし移籍したとしても、獲得した球団がスコット・ボラス代理人を相手にFA市場での売り込みを諦めさせ、契約延長に合意する可能性はほとんどない」

　スクーバルは２年連続でサイ・ヤング賞を受賞した球界最強左腕。１年後の2026年シーズン終了後にFAとなる。タイガースは契約延長を望んでいるものの、金額面がスクーバル側の要求とかけ離れている状況もあって、今冬のトレード移籍が盛んに報じられている状況だ。

　１年後にFAとなって他球団と大型契約を結ぶのか、もしくは今冬にトレードに出して対価を得るのか、または26年トレード期限に放出するのか。タイガースの決断に注目が集まるなか、同メディアは今冬に移籍しないであろうスクーバルに代わる補強として、別の投手名を挙げた。

「ドジャースがスクーバルを獲得できるチャンスを得るのは、おそらくFAとなる１年後だろう。その間を埋めるのに最適な投手がいる。ミネソタ・ツインズのジョー・ライアンだ。間違いなく獲得可能なエースで、25年のトレード期限でもドジャースが獲得に動いていた」

  　同メディアがライアンの名前を挙げたのは、「奪三振率と制球力」を評価したから。「スクーバルが特別なのは、三振を奪いながら四球を与えない能力にある。一般的に奪三振の多い投手は四球も多い傾向にあるが、スクーバルはそうではない。そんな左腕と肩を並べる投手はほとんどいないが、奪三振率と制球力の点で言えば、ライアンも優秀だ」と記した。

「2023年以降、９回当たり10奪三振以上、９回当たり２四球以下を記録したのはライアンひとりだけ。29歳の右腕は25年に奪三振率28.2%（84パーセンタイル）を記録し、与四球率もわずか5.7%（87パーセンタイル）と驚異的な数字を残した。スクーバルは25年に32.2%の奪三振率と4.4%の四球率（それぞれ94パーセンタイルと97パーセンタイル）を記録するなど異次元の存在だったが、ライアンも負けてはいない」

　ライアンとツインズの契約はあと２年残っており、「26年シーズンの予定調停年俸はわずか580万ドル（約９億円）。ドジャースは先発ローテーションに必要とはしていないが、スクーバル級になりうる投手を他球団から遠ざけるために獲得する価値はあるだろう」として補強を進言した。

「もし、ロサンゼルスが本当に最強の勝者になりたいなら、今オフにライアンをトレードで獲得した後、来オフにスクーバルと契約するべきだ。そうなれば27年の先発陣は、山本由伸、ブレイク・スネルのほか、一線級の投手で構成できるだろう。そうなれば、リーグの他球団はゲームオーバーだ」

　山本、スネル、大谷翔平、タイラー・グラスノー、佐々木朗希ら、すでに球界最高ともいえる先発の陣容が、さらにパワーアップするのか。

構成●THE DIGEST編集部

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