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プロ野球

阪神のリーグ優勝を支えた大山の“選球眼”と“勝負強さ”。FA移籍の桑原が残した「100%」の記録とは【リーグ1位の男たち:セ・リーグ野手編】<SLUGGER>

藤原彬

2025.12.30

佐藤輝や森下の活躍に隠れていた感はあったが、実は大山は各種指標で優秀な成績を残していた。写真:産経新聞社

佐藤輝や森下の活躍に隠れていた感はあったが、実は大山は各種指標で優秀な成績を残していた。写真:産経新聞社

 個人タイトルの対象ではなくとも、今季の選手個々の活躍や貢献度を語る上で見逃せない部門のベスト3を紹介する。今回はセ・リーグの野手編だ。(※率系部門は規定打席到達者18人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.佐藤輝明(阪神).924
2.森下翔太(阪神).813
3.キャベッジ(巨人).781

 持てる才能を完全に開花させた佐藤は、生え抜きで球団3人目の40本塁打&100打点をクリアして打撃二冠を獲得。長打率.579とともに総合的な打力を測るOPSでも2位の森下に100ポイント以上の差をつけるリーグベストで、当然のようにMVPにも選ばれた。なお、故障でシーズンの半分ほどを棒に振った村上宗隆(ヤクルト)は1.043、岡本和真(巨人)も1.014と格別の数値を残している。

■四球率(四球÷打席)
1.大山悠輔(阪神)12.6%
2.佐藤輝明(阪神)9.5%
3.近本光司(阪神)9.4%

 3年連続でリーグトップの四球を記録した阪神勢がベスト3を占めた。大山は出塁率.363がリーグ2位で惜しくもタイトルは逃したが、2年ぶりにリーグ最多の74個を選んだ。同じ虎打線では、坂本誠志郎が規定打席に届かなかったが四球率12.8%で大山を上回り、髙寺望夢も少ない打席数ながら11.3%など、チーム全体で出塁に対する意識の高さを感じさせた。
 
■三振率(三振÷打席)
1.小園海斗(広島)8.2%
2.岡林勇希(中日)8.9%
3.泉口友汰(巨人)10.5%

 首位打者と最高出塁率のタイトルを得た小園を筆頭に、打率でリーグ3位の岡林と2位の泉口がベスト3入り。対象選手ではないが、松尾汐恩(DeNA)は8.9%と3傑級の数字を残して年齢離れしたコンタクト能力を示した。巨人のキャベッジが30.3%でリーグワーストだが、それを上回ったのが同じ打線のリチャードで35.6%だ。トレード移籍後に11本塁打を放つなど開花の兆しも、粗さは変わらない。

■BB/K(四球÷三振)
1.岡林勇希(中日)0.895
2.小園海斗(広島)0.894
3.泉口友汰(巨人)0.78

 三振率ベスト3の3人が、四球との比率において優れた打席アプローチを示した。1位の岡林は前年の0.47から倍近くまで向上と、目覚ましい成長を果たしている。復活を遂げた上林誠知(中日)の0.20はリーグワーストで、積極的に打ちに行くスタイルは来季への懸念材料か。岡本和真(巨人)は限られた出場ながら四球と三振が同じ33個で、K/BB1.00と成熟を感じさせた。

■得点圏打率
1.小園海斗(広島).413
2.佐野恵太(DeNA).359
3.大山悠輔(阪神).316

 チャンスでの小園は打率4割超えと打ちまくり、得点圏での打率上昇値はリーグで唯一1割を上回っていた。それ以上とも言える打棒を振るったのが岸田行倫(巨人)で、得点圏でのOPS.971は約200ポイントも上昇と、ここ一番の場面では最強打者化。一方、キャベッジ(巨人)は得点圏打率.177がリーグワーストと苦戦し、出場自体が少なかったオースティン(DeNA)も.180で前年の勝負強さは見る影もなし。
 

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