オリックスの春季キャンプが22日、一軍で手締めを行った。
まだキャンプ地・宮崎で練習試合は残っているが、全員揃っての練習はこの日が最後。23日にはソフトバンクと今シーズン初のオープン戦を行ったが、先発ローテーション候補の荒西祐大が3回5失点、山崎福也も3回4失点とキャンプの成果を出すことができなかった。
「まだチャンスはある。もう一度見てみたい」
今年のキャンプで西村徳文監督は、これまでとは異なり、紅白戦で打ち込まれてもファームに降格させることなく、チャンスを与え続けている。その気持ちが通じたのか、紅白戦ではなかなか結果が出なかった榊原翼がそのソフトバンク戦で好投。首脳陣に期待を抱かせた。
西村監督自らがブルペンにも積極的に足を運びつつ、ファームは高山郁夫ヘッドコーチに視察させるなど「下からの推薦」にも耳を傾けている。ファームで好投を続けている鈴木優を「上で見てみたい」と折を見て一軍の試合に登板させる意向があるほどだ。
今年の投手陣は山岡泰輔が2年連続で開幕投手を務めることが決定。もうひとりのエース山本由伸はソフトバンクとの本拠地開幕戦に回ることが予想される。さらに左腕の田嶋大樹が春季キャンプ絶好調。昨シーズンの終盤、福良淳一GMが「来年は田嶋が帰ってきたらこのチームは凄くなる」と話していたが、その言葉通り、田嶋が三本柱に入る目処が見えてきたのは大きい。「継続してシーズンに繋げたい」と本人も手応えを語っている。
先発の残り枠は「3」。
ここを荒西、榊原、K-鈴木、張奕、山崎福らで争っているのだが、今後の内容次第では鈴木優にもチャンスは十分にある。練習試合、オープン戦の結果を見て決めることになるだろう。アルバースは「まだ腰をかばっている」(西村監督)状態で時間がかかりそうとのこと。「左は2枚欲しい」と先発のビジョンを描いている指揮官にとっては頭の痛い問題だが、右投手でカバーしていく方向になりそうだ。
中継ぎ陣は、セットアッパー候補の中では澤田圭佑が好調をキープしている。ルーキーの村西良太もキャンプ最後まで一軍に残り「面白い存在になってくれそう」と首脳陣の期待も高い。キャンプ中に支配下登録された漆原大晟は昨年ウエスタンリーグでセーブ王を獲得しており、勝利の方程式に入る実力はある。
左では海田智行、山田修義、齋藤綱記、右では吉田一将、近藤大亮、神戸文也、新外国人のヒギンズも控え、今年は頭数が揃っていると言えるだろう。さらにクローザーはディクソンと増井浩俊が競っている状況で、投手陣は昨年より強化された印象だ。
今年は山本が東京オリンピック出場を"当確"にしており、山岡や田嶋も侍ジャパン・稲葉篤紀監督の代表候補リストには入っていると見られている。それだけに、投手陣の再建、層の確保は必至事項だった。
キャンプ地のブルペンは例年よりも活気に溢れていたのが印象的だった。まだ実戦で結果が出ていない選手もいるが、投手陣全体の底上げが見えた春季キャンプだったと言えるだろう。
文●どら増田(スポーツライター)
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、昨年は山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させた。
【PHOTO】オリックス宮崎キャンプの様子をお届け!
まだキャンプ地・宮崎で練習試合は残っているが、全員揃っての練習はこの日が最後。23日にはソフトバンクと今シーズン初のオープン戦を行ったが、先発ローテーション候補の荒西祐大が3回5失点、山崎福也も3回4失点とキャンプの成果を出すことができなかった。
「まだチャンスはある。もう一度見てみたい」
今年のキャンプで西村徳文監督は、これまでとは異なり、紅白戦で打ち込まれてもファームに降格させることなく、チャンスを与え続けている。その気持ちが通じたのか、紅白戦ではなかなか結果が出なかった榊原翼がそのソフトバンク戦で好投。首脳陣に期待を抱かせた。
西村監督自らがブルペンにも積極的に足を運びつつ、ファームは高山郁夫ヘッドコーチに視察させるなど「下からの推薦」にも耳を傾けている。ファームで好投を続けている鈴木優を「上で見てみたい」と折を見て一軍の試合に登板させる意向があるほどだ。
今年の投手陣は山岡泰輔が2年連続で開幕投手を務めることが決定。もうひとりのエース山本由伸はソフトバンクとの本拠地開幕戦に回ることが予想される。さらに左腕の田嶋大樹が春季キャンプ絶好調。昨シーズンの終盤、福良淳一GMが「来年は田嶋が帰ってきたらこのチームは凄くなる」と話していたが、その言葉通り、田嶋が三本柱に入る目処が見えてきたのは大きい。「継続してシーズンに繋げたい」と本人も手応えを語っている。
先発の残り枠は「3」。
ここを荒西、榊原、K-鈴木、張奕、山崎福らで争っているのだが、今後の内容次第では鈴木優にもチャンスは十分にある。練習試合、オープン戦の結果を見て決めることになるだろう。アルバースは「まだ腰をかばっている」(西村監督)状態で時間がかかりそうとのこと。「左は2枚欲しい」と先発のビジョンを描いている指揮官にとっては頭の痛い問題だが、右投手でカバーしていく方向になりそうだ。
中継ぎ陣は、セットアッパー候補の中では澤田圭佑が好調をキープしている。ルーキーの村西良太もキャンプ最後まで一軍に残り「面白い存在になってくれそう」と首脳陣の期待も高い。キャンプ中に支配下登録された漆原大晟は昨年ウエスタンリーグでセーブ王を獲得しており、勝利の方程式に入る実力はある。
左では海田智行、山田修義、齋藤綱記、右では吉田一将、近藤大亮、神戸文也、新外国人のヒギンズも控え、今年は頭数が揃っていると言えるだろう。さらにクローザーはディクソンと増井浩俊が競っている状況で、投手陣は昨年より強化された印象だ。
今年は山本が東京オリンピック出場を"当確"にしており、山岡や田嶋も侍ジャパン・稲葉篤紀監督の代表候補リストには入っていると見られている。それだけに、投手陣の再建、層の確保は必至事項だった。
キャンプ地のブルペンは例年よりも活気に溢れていたのが印象的だった。まだ実戦で結果が出ていない選手もいるが、投手陣全体の底上げが見えた春季キャンプだったと言えるだろう。
文●どら増田(スポーツライター)
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、昨年は山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させた。
【PHOTO】オリックス宮崎キャンプの様子をお届け!