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プロ野球

「感触も今のところいい」7キロ増で来日したロッテのマーティン。パワーアップに手応えアリ

岩国誠

2020.02.25

「ロッテではパワーの部分が求められていると思い、体重を増やしました」との言葉通り、マーティンは7キロ増で来日した。写真:岩国誠

「ロッテではパワーの部分が求められていると思い、体重を増やしました」との言葉通り、マーティンは7キロ増で来日した。写真:岩国誠

 昨年途中からロッテに加入し、強肩強打で多くのファンを魅了したレオネス・マーティンが、14日に来日し石垣2軍キャンプに合流。23日の琉球ブルーオーシャンズ戦で早くも打席に立ち、鋭いスイングを見せるなど、順調な調整ぶりをアピールしている。

 2打席の結果はいずれも外野フライだったが、どちらもスイングの鋭さが際立っていた。「こないだ来たばかりですけど、出来上がっているなと思いました」。練習を含め、昨年から常に行動をともにする球団のスペイン語通訳・田原大樹氏も驚くほどの仕上がりぶりだった。

 ネクストバッターズサークルに佇む姿を見て、まず驚いたのは体格の変化だ。5か月ぶりに投手の球を打つというが、遠目に見ても明らかに上体が大きくなったように感じられた。

「去年と違うことを試してみたいと思って、今年は体重を7キロほど増やしてきました。それがいい方向に運ぶと思っていますし、プレーでの感触も今のところいいですね」

 昨年7月末にチームに合流。52試合に出場し、打率は.232だったが14本塁打39打点を挙げた。その中で今年、自らに課された仕事を考えたとき、さらなるパワーアップが必須という結論に至った。

「今ここで求められている仕事と、メジャーで求められていた仕事の質は違います。メジャー時代はセンターを守っていましたが、センターは守備範囲も広い。そして、盗塁も30を目指していましたが、ロッテではパワーの部分が求められていると思い、体重を増やしました」
 
 昨年以上の強打ぶりに期待がかかるマーティンは、その強肩を考えても、不動のセンター・荻野貴司とともに、スタメンの有力候補であることは間違いない。しかし、今年はFAで福田秀平が加入した。そして、角中勝也や清田育宏のベテラン勢や、実戦で猛アピールを続ける昨年のドラ1・藤原恭大、菅野剛士など、今年のロッテは外野手のレギュラー争いも熾烈を極める。その部分はどう捉えているのか。

「自分の中に競争という意識はないですね。相手がどうこうというよりも、まずは自分のやるべきことをやることが一番大事。そうすれば結果はついてくると思っています」

 あくまで自分。このひと言に、これまでに培ってきたものへの揺るぎない自信を感じさせた。ただ、だからといってそこに慢心することはない。

 昨シーズン中も見受けられたが、打撃練習前には通常の3分の2ほどの短いバットを使い、体が開かないよう意識づけをするティー打撃をルーティーンとして取り組んでいるほか、試合後にも30分以上の打撃練習を行い、動画撮影をしていたレアードと打撃について論議を交わす。そして、練習後のマッサージにもしっかり時間を使うなど、やるべき準備を一切怠らない。

「チームに貢献するためには1年間試合に出続けることが大事。その部分には気をつけたいと思っています。目標はあくまで開幕。そこに100%に合わせられるよう調整していきます」

 昨年、鮮烈な印象を与えた助っ人が準備万端整え、パワーアップした姿を見せるその日が待ち遠しい。

取材・文●岩国誠(フリーライター)

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【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。

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