専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

これもある意味”二刀流”!?元世界一左腕バムガーナーはロデオの腕前も”プロ級”!

宇根夏樹

2020.03.02

2014年のホーム開幕戦で行われたセレモニーで馬に乗るバムガーナー。しかし、ロデオの大会に出ていることは、これまであまり知られていなかった。 (C)Getty Images

2014年のホーム開幕戦で行われたセレモニーで馬に乗るバムガーナー。しかし、ロデオの大会に出ていることは、これまであまり知られていなかった。 (C)Getty Images

 マディソン・バムガーナー(ダイヤモンドバックス)には別の顔がある。メイソン・ソーンダースという名前で、ロデオの大会に出ているのだ。

 2014年のホーム開幕戦で、ジャイアンツが前年のワールドシリーズ優勝を称えるセレモニーを催した時、シリーズMVPを受賞したバムガーナーは、馬に乗って球場内を闊歩した。騎馬警官の後ろに乗せてもらったのではなく、一人で馬にまたがって手綱を操った。また、今オフにジャイアンツからFAとなり、5年8500万ドルでダイヤモンドバックスと契約した際には、アリゾナ州フェニックスで飼っている愛馬が決め手になったとの憶測も流れた。

 けれども、バムガーナーがロデオ・ライダーであることは、先日『ジ・アスレティック』のアンドリュー・バッガリーとザック・ブキャナンによる記事が出るまで、知られていなかった。

 その記事によると、判明したきっかけは写真だ。昨年12月、ロデオ大会の主催者は数枚の写真をフェイスブックにアップした。そこには、チーム投げ縄ロデオで優勝し、2万6560ドルの賞金を手にした2人が写っている。ロデオ中の写真では判然としないが、カメラ目線で2人が並んで立っている写真の一方は、少しぶれているものの、バムガーナーだとわかる。取材を受け、バムガーナー自身もそれを認めた。

 メイソン(Mason)はマディソン(Madison)のdiを外したもので、ソーンダースは妻の結婚前のラストネームだ。バムガーナーが育ったノースカロライナ州の町は“バムタウン”と呼ばれるほどバムガーナー家が多く、バムガーナーも同じラストネームの女性とデートしたことがあるというが、高校時代から交際していた妻は違うラストネームだった。
 
 この大会は、ダイヤモンドバックスに入団する約2週間前に行われた。ダイヤモンドバックスは、メイソン・ソーンダースのことを知らずに契約を交わした。ジャイアンツも同様だ。昨シーズンまでジャイアンツの監督だったブルース・ボウチー(現在はジャイアンツの特別アドバイザー)も、MLB.comのマリア・ガーダッドに「投げ縄をすることは知っていたけど、競技レベルとは知らなかった」と語っている。

 ダイヤモンドバックスはロデオをやめるように頼むつもりはないらしい。バムガーナーが縄を投げるのは、ボールと違って右腕だ。ただ、怪我の心配は残る。2017年のシーズン中、バンガーナーはダート・バイクで転倒し、3ヵ月近く離脱した。

 なお、馬やダート・バイクではなく、このトピックに“乗っかる”球団も、早速登場した。ジャイアンツ傘下のサンノゼ・ジャイアンツ(1A+)は、6月5日に“メイソン・ソーンダース・ナイト”を催す。Tシャツを配り、特別メニューのBBQを販売。バムガーナーのジャージかロデオの格好で訪れた観客には、その後の試合に使える無料チケットを2枚プレゼントするという。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号