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MLB

考えに考え抜いて見つけた不振からの脱出法――カブス快進撃に貢献する“勝負師”鈴木誠也の存在感<SLUGGER>

ナガオ勝司

2026.04.29

4月23日からの5試合で3本塁打。故障で出遅れた鈴木だが、ようやく本領を発揮し始めた。(C)Getty Images

4月23日からの5試合で3本塁打。故障で出遅れた鈴木だが、ようやく本領を発揮し始めた。(C)Getty Images

 リグリー・フィールド名物の外野フェンスの蔦が、半分ぐらいは新緑になり始めた4月22日水曜日、カブスは7対2でフィリーズに勝利し、今季最長の8連勝を決めた。

 この日の話題は、負傷者リスト(IL)入りしていた左腕エースのマシュー・ボイドが、5回途中2失点で復帰したこと。だが、フィリーズの救援陣が踏ん張って序盤の4対2のまま、試合が膠着状態に陥った5回、2試合連続の今季2号本塁打を放った鈴木誠也もヒーローの一人である。

「チームのその流れに乗ってじゃないですけど、どんどん攻撃的にいけたらいいなと思って打席に入ってますけど、いい形になってる。いいと言ってもまだ2試合。しっかりチームが勝てるように貢献していくだけだと思うんで、最低限、自分なりのことはしっかりやっていこうかなと思ってます」

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝のベネズエラ戦で二塁にヘッドスライディングした際に左膝を故障。その試合で敗退し、侍ジャパンからチームに復帰後、すぐさまリハビリを始めた。

 最初は物々しいギブスをはめてのウォーキング。次にジョギング、そしてランニングといった具合に、徐々に負荷を増やしていった。当時、彼はこう言っている。

「こういう展開っていうのは予想してなかったので、残念な気持ちではありますけど、なってしまったことは仕方ない。痛みが引いてからでないと、やることも増えていかないので、まずは痛みをしっかり取って、やれることを増やしていきたいなと思う」

 プロのアスリートのリハビリというのは、そういうものなのだろうけれど、キャンプ中はギブスをはめたまま、ペースは上がった。軽い屈伸運動やダッシュは当然、室内ケージで打ち込んだり、比較的、長い距離でキャッチボールをしたり。「完治してるんですか?」と尋ねると、「んな簡単なわけないでしょ」と即答する中、復帰に向けて粛々と、リハビリが進んでいった。
 正式にIL入りしたのは、開幕ロースターが発表された開幕前日の3月25日(22日にさかのぼって適用)。開幕してからもチームには帯同しており、ギブスが取れたかと思えば、外野ノックを受けたり、ベースランニングをしたり。最終的には二塁スライディングをして、実戦復帰「OK」のサインが出た。

 チームがクリーブランドに遠征した4月3日、鈴木はテネシー州ノックスビルという小さな町で、傘下の2Aスモーキーズというチームで調整試合に出場。8日までの5試合で14打数6安打(打率.429)、OPS1.042を記録して、10日のパイレーツ戦からメジャーに復帰した。

「しっかり戻ってこれたので良かったですし、早く戻ってきたかったので、まず、無事一戦を終えたのは良かったなと思います。正直、怪我しないように、とは思いながらやってた。ちょっと寒さもありましたし、気持ちが高ぶるところもあったので、あまり思いきって100(パーセント)で行くのも怖かったので、徐々にっていう感じでやっていきたいなと思います」

 復帰後もしばらくは、右膝に特製サポーターを装着してのプレーである。打つ・守るについては問題ないが、走ることに関しては慎重にならざるを得ない。それでも早期復帰を促されたのは当時のカブスが6勝7敗と負け越し、ナショナル・リーグ中地区最下位に低迷していたからだ。
 

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