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東京五輪予選参加に二刀流挑戦…本塁打王2度の強打者バティスタのカムバックから目を離すな!

宇根夏樹

2020.03.05

15年のプレーオフでバティスタが披露したバットフリップは、10年代のMLBを代表する名シーンの一つだ。(C)Getty Images

 東京オリンピックのアメリカ大陸予選が、3月22日から26日に行われる。そこに、本塁打王2回の実績を誇るホゼ・バティスタがドミニカ共和国のメンバーとして出場する。

 バティスタと言えば、強烈なアッパーカットスウィングから放つホームランで2010年代のメジャーリーグを沸かせたスーパースターだ。10年から2年連続本塁打王のタイトルを手にし、シルバースラッガーを3度獲得、オールスター選出は6回を数える。15年地区シリーズで劇的な勝ち越し弾を放った後に見せた"超どや顔バットフリップ"、その一件が原因となった翌年の大乱闘事件も記憶に新しい。

 そんなバティスタも近年は成績が低迷し、昨シーズンはどの球団とも契約することなく過ごし、現在も浪人状態が続いている。それでも、彼ほどの選手が五輪予選に参加するとなれば、ニュースバリューは高い。

 今回のニュースを最初に報じたESPNのジェフ・パッサンの記事によると、現在39歳のバティスタは一塁を守る予定だという。バティスタの一塁出場は、メジャー15年で30試合に過ぎない。ライトが1071試合と圧倒的に多く、三塁の415試合がそれに次ぐ。
 
 ただ、パッサンはさらに大きなサプライズを伝えている。バティスタが投手と野手の二刀流選手としてメジャー復帰を目指しているというのだ。マイナーを含めれば、バティスタは7ポジションとDHを経験しているが、投手と捕手は一度も務めたことがない。

 また、パッサンはツイッターで、バティスタの速球は94マイルに達し、スライダーも鋭く曲がっているという関係者の証言を紹介している。

 実は、バティスタの投球については、マーカス・ストローマン(メッツ)もキャンプインの前に1月半ばにこうツイートしている。「僕の友達であるホゼ・バティスタの投球はかなりのものさ。僕らは一緒に練習している。ジョークではなく、この男はメジャーで救援投手として投げられる。僕が保証するよ!」。

 17年のWBCでアメリカの優勝に貢献したストローマンのツイートは、、当初はさほど話題にならなかった。14年からブルージェイズで4シーズンをともに過ごした元チームメイトへのリップサービスと受け取られたのだろう。