今やすっかりエンジェルスの赤いユニフォームが板についた大谷翔平。しかし、2017年オフにMLB行きを決断した当時、エンジェルスを入団先として予想する者は皆無に近かった。果たして彼らはどのように大谷を口説き落としたのか。ビリー・エプラーGMが当時を振り返り、大谷獲得秘話を明かした。
まず、大谷がエンジェルスを選んだ最大の理由を、エプラーGMはこう推測する。
「交渉でも話したのですが、私が感じていたのは選手の才能をフルに生かすための『Connectivity(結び付き)』です。おそらく彼は、球団関係者全員からのコミットメントを感じたのではないでしょうか。そのことが、入団するチームを選ぶ際に大きな比重を占めたのではないかと思います」
入団交渉でエプラーGMは、チームの育成方針や選手とのコミュニケーション法について、モータースポーツのF1を例に挙げて大谷に説明したという。
「(F1では)大抵の場合、決め手になるのは車の性能です。ドライバーの働きも要素ではありますが、結局は車次第です。野球で選手が最も重要なのと同じです。F1カーはとても繊細で、慎重に扱わなければなりません。同様に、選手もしっかりケアしなければなりません」
「野球でF1ドライバーに相当するのは打撃コーチや投手コーチです。では、車をケアするのは誰か。トレーナーや理学療法士、ストレングスコーチ、バイオメカニクス研究者、栄養士、メンタルコーチ、カイロプラクター、整形外科医たちはピットクルーです。レースカーがピットに入ると、クルーが車をケアし、アドバイスを送ったりします……というように、翔平をレースカーに例えながら話をしました。それによって、彼の中でも視野が広がったのではないかと思います」 また、エプラーGMはチームのスカウティングについて説明するため、何と大谷自身のスカウティング・レポートを書いて渡したという。
「我々は翔平に彼自身のビデオを見せて、彼についてのスカウティング・レポートを書きました。『君の投球について、我々はこういう風に見ている』と。翔平は、お互いが同じ考えを持っていることを確信してくれたようでした」
アナハイムにほど近いラグーナビーチの砂を「お土産」として大谷に渡す心遣いも見せたというエプラーGM。ドジャースやジャイアンツ、レンジャーズなど、有力候補とされていたチームに勝ち、二刀流スターのハートを射止めてみせた。
構成●スラッガー編集部
まず、大谷がエンジェルスを選んだ最大の理由を、エプラーGMはこう推測する。
「交渉でも話したのですが、私が感じていたのは選手の才能をフルに生かすための『Connectivity(結び付き)』です。おそらく彼は、球団関係者全員からのコミットメントを感じたのではないでしょうか。そのことが、入団するチームを選ぶ際に大きな比重を占めたのではないかと思います」
入団交渉でエプラーGMは、チームの育成方針や選手とのコミュニケーション法について、モータースポーツのF1を例に挙げて大谷に説明したという。
「(F1では)大抵の場合、決め手になるのは車の性能です。ドライバーの働きも要素ではありますが、結局は車次第です。野球で選手が最も重要なのと同じです。F1カーはとても繊細で、慎重に扱わなければなりません。同様に、選手もしっかりケアしなければなりません」
「野球でF1ドライバーに相当するのは打撃コーチや投手コーチです。では、車をケアするのは誰か。トレーナーや理学療法士、ストレングスコーチ、バイオメカニクス研究者、栄養士、メンタルコーチ、カイロプラクター、整形外科医たちはピットクルーです。レースカーがピットに入ると、クルーが車をケアし、アドバイスを送ったりします……というように、翔平をレースカーに例えながら話をしました。それによって、彼の中でも視野が広がったのではないかと思います」 また、エプラーGMはチームのスカウティングについて説明するため、何と大谷自身のスカウティング・レポートを書いて渡したという。
「我々は翔平に彼自身のビデオを見せて、彼についてのスカウティング・レポートを書きました。『君の投球について、我々はこういう風に見ている』と。翔平は、お互いが同じ考えを持っていることを確信してくれたようでした」
アナハイムにほど近いラグーナビーチの砂を「お土産」として大谷に渡す心遣いも見せたというエプラーGM。ドジャースやジャイアンツ、レンジャーズなど、有力候補とされていたチームに勝ち、二刀流スターのハートを射止めてみせた。
構成●スラッガー編集部