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高校野球

U-18日本、薄氷の勝利でW杯初戦突破!今後のカギは“甲子園未出場組”の…

氏原英明

2019.08.30

格下スペインに苦戦を強いられたU-18日本代表。甲子園出場組のコンディションは整っているが……。(C)朝日新聞社

格下スペインに苦戦を強いられたU-18日本代表。甲子園出場組のコンディションは整っているが……。(C)朝日新聞社

 第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ(以下W杯)が30日、韓国・機張(キジャン)で開幕した。予選リーグ第1戦のスペイン戦で日本は4-2で勝利。投手戦の展開から4回に2点を先行される苦しい展開だったが、8回に一気の集中打で逆転して白星スタートを切った。

 毎年、思うことだが、大会全体を考えた時に大事になるのは、招集したメンバーをいかに使いこなすかだ。

 特に重視しなければいけないのが、投手陣の起用法である。特に今大会は、甲子園未出場組のメンバーが例年より多く、彼らの活躍いかんに今後の浮沈のカギが見え隠れしている。というのも、毎回、代表チームを組織する上で懸念材料となっているのが、甲子園を前に地区大会で敗れたメンバーの状態だからだ。意外に知られていないのだが、彼らのコンディション調整がなかなか難しい。
 2013、15年の代表監督を務めた西谷浩一監督(大阪桐蔭高)が、かつてこんな話をしてくれた。

「地方大会で負けた選手の使い方が難しいなと思いました。2013年の時に思ったんですけど、地方大会が終わってからの調整がうまくいってない。(代表選手たちは)走り込んだり、個人的にトレーニングをしてくれてはいるんですけど、目の前に試合がある甲子園に出た選手とのコンディションの差はありました。やはり、試合があると思って走り込んだりするのと、先が見えない中で練習するのとでは真剣味が違うのかなと思います。野手はともかく、投手にはその難しさを感じました」

 13年、西谷監督は甲子園出場組以外の投手として、松井裕樹(現・楽天)と田口麗斗(現・巨人)を招集した。ともに左の先発として期待されていたが、「最初はいいんですけど、イニングを経ていくほどに、ガクッと体力が落ちた」と西谷監督は証言している。15年、西谷監督は再び代表監督に就任するが、その時は森下暢仁(現・明治大)、髙橋純平(現・ソフトバンク)にとどめた。しかも、大事な場面では起用しないという方針で大会を戦ったのだった。

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